時事ヘタ
●日本アラカルト[時代の行方28・Chinese Virus/前編]
2020/04/15 02:13
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(2020年3月21日 投稿作品)



[皆様へ]

いつも拙作を御訪問いただきありがとうございます。

新型コロナウイルス感染症(COVID(コビット)-19)の発生源を巡ってChinaの工作が激化しています。
日米を始め欧州の感染爆発が起こっている国々に責任を擦りつけようとする情報戦です。
Chinaの悪質なプロパガンダを赦さない為に、本作品ではトランプ大統領が名付けた『Chinese Virus』と表記することにしました。


今回のお話は、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)の一枚の図がメインとなります。

お楽しみいただければ幸いです。



2020.3.21 ちはや拝


(注:CDCの図はURLが取得できなかったのでBBCよりお借りしました)




*****





※本作品は『国擬人化漫画・ヘタリア』の二次小説です。

※幾つかのニュース記事やブログ、資料などを参考に執筆したお話しです。

※少々過激な発言があります。

※真偽は問わない、どの様な内容でも構わないとおっしゃる方は、ご自分の責任の下に御入場ください。





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日本アラカルト[時代の行方28・Chinese Virus/前編]





白板に菊が日本語で筆記する隣でアーサーが英語で書き直して行く。
書き終わった菊が「これで如何でしょうか」と肩先に掌を掲げ白板を示すポーズを取った。
アーサーも書き終えると慌てて菊と左右対照なポーズを取って見せた。




爆笑が上がった。
G7メンバーたちが笑い転げている。



白板には…




*****



【WHO新型コロナウイルス肺炎対策】


【最優先事項】
@.発生源擦りつけ対策

・日本に擦りつけ沙汰止み…日本を怒らせると中共様が後々マズイ!
・アメリカ[軍]に擦りつけ中だが何となくヤバイ…
・よし、欧州に擦りつけてやれ!!!


これでどうでしょうか、中共様

by(隠れ共産党員)テドロス同志より





*****




伊:菊、ありがとう〜、元気か出たよ〜、ハグハグ〜

独:待て、イタリア、ハグは禁止だ!


菊に抱き付こうと席を立ったイタリアをドイツが襟首を掴んで止めた。


伊:ヴェー、そうだったね…


菊は、しょんぼりと席に戻ったイタリアを見、次いで他のメンバーを見回した。


日:それにしても皆様、お顔の色が優れませんねぇ…


G7メンバーの中でも比較的元気そうなアングロサクソン(英米加)以外は、氷嚢を頭に乗せたり、菊から貰ったヒエピタを額に貼り付けたりしていた。
一様に顔色が悪く、空元気を装っているように見えた。


独:その…日本、悪かったな、色々とその…

伊:うん、ダイヤモンド・プリンセス号ではお世話になったのに…、ごめんね…

仏:お兄さんも謝るよ、何の責任もないのに手を尽くしてくれて…

加:僕も謝ります、ごめんなさい、そしてお世話になりました。


カナダがぺこりと頭を下げた。
菊は小さく嘆息して応えた。


日:構いませんよ、アメリカのCDC(アメリカ疾病管理予防センター)からお礼状をいただきましたから。
感謝というには些か納得が行かない文面ではありましたが。
そうですよね、アメリカさん?

米:うん、うちのCDCが日本政府に頼んだんだぞ。







*****





■クルーズ船米人乗客 当初は米側が「船内に」とどめるよう要請 | NHKニュース
www3.nhk.or.jp

2020年2月23日 14時29分
新型コロナウイルスの集団感染が確認されたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」への対応で、日米両政府の詳細なやり取りが分かりました。日本側が当初、アメリカ人乗客の早期帰国を提案したのに対し、アメリカ側は「乗客の移動は感染リスクが高まる」として船内にとどめるよう要請していたということです。
クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客のうち、アメリカ人は日本人に次いで2番目に多く、帰国を希望したおよそ330人が2週間の健康観察期間が過ぎるのを待たずに、17日、チャーター機2機で日本を出国しました。

こうした一連の対応で日米両政府が交わしたやり取りの詳細がわかりました。

それによりますと、日本政府が、当初、アメリカ人乗客の早期下船と帰国を提案したのに対し、アメリカ政府は日本側の対応に謝意を示したうえで、CDC=疾病対策センターなどと議論した結果、「乗客を下船させ、横田基地などに移動させれば、感染リスクが高まることが予想される。船は衛生管理がきちんと行われており、船内にとどめてほしい」と要請していたということです。

また、15日に行われた事務レベルのやり取りで、日本側が2週間の健康観察期間が過ぎる19日から下船が順次可能となると説明したのに対し、アメリカ側は日本政府の負担を軽減すべきと判断したとして、19日を待たずにチャーター機を派遣し、アメリカ人の乗客らを帰国させる方針を伝えたということです。





*****





日:こういうことはメディアがほとんど報道しないものですから、誤解が生じるのも止むを得ないことだと思います。
毎度の事ながら日本政府は説明責任を果たそうとしませんしね。

独:それにしても何故アメリカは日本に押し付けたんだ、米軍基地に回航することも出来ただろうに。

米:押し付けたわけじゃないんだぞ。
クルーズ船内でクラスター(集団感染)が起こるなんて初めてだし、対処の方法がわからなかったというのもあるし、何よりアメリカはインフルエンザの死者が一万人を超えていて、CDCはその対応で精一杯だったんだ。
だから止む無く日本にお願いするしかなかったんだぞ…

日:クルーズ船のアメリカ人感染者44名も日本に預けて引き揚げましたものね。

米:お世話になってありがとうなんだぞ。

仏:イギリスは、菊ちゃんに謝らないの?

英:え、何でだ?

仏:ダイヤモンド・プリンセス号はイギリス船籍だろ、船長もイギリス人だし。

英:船籍がイギリスというだけで、運用会社はアメリカ企業だろ。
船長がイギリス人だろうと正式な雇用契約でアメリカ企業に雇われた者の面倒まで一々イギリス政府が責任を負わなきゃならないのか?

仏:散々日本政府を非難していたじゃないの、本当、二枚舌だね、お前って!

英:マスコミがな! イギリス政府が非難したわけじゃない!

日:ええ、その通りですね。
麻生副総理がぼやいていましたよ、イギリスはだんまりだって。
でも、先日の日英電話会談で感謝の言葉をいただいたそうですからそれで良しとしましょう。
他の皆様も、クルーズ船下船後に空港まで輸送した時に、対応に当たった自衛隊員たちに感謝の言葉があったと伺っています。
もうそれで十分です、蒸し返すのは止しにしましょう。

独:日本がそう言うのなら…

伊:ヴェ〜…

米:クルーズ船の乗客が船会社の集団訴訟を起こしたけど、日本に迷惑が掛からないようにするよ。

日:ええ、手を尽くした我が国が訴えられるようなことは一切ありませんからそう願いたいものですね。

米:うん、わかっているんだぞ。

加:スウェーデンの研究者が、日本政府が関わってからクルーズ船の感染者数が減ったってレポートを出していましたね。
今になって、日本政府の対応は正しかったんじゃないかって見直されています。

伊:イタリアは日本と違ってクルーズ船『コスタ・スメラルダ』号の感染者以外の乗客を降ろしてしまったんだけど…、それと関係があるのかわからないけど、ミラノを中心に爆発的なエンデミック(地域流行)が起こって、武漢並みの地域封鎖外出禁止状態だよ。
流通も止まって経済はガタガタだよ、俺の熱もうなぎ登りだよ。


隣席のドイツから氷嚢を借りたイタリアは高熱と頭痛に呻いていた。



(注:経済が悪化すると国化身は風邪を引く設定になっている)



独:それでだ、日本が何故、感染拡大を押さえ込めているのか教えてもらいたいのだが…
日本の感染者数は1000名程度、死者数も30名ほどだったか?

日:感染確定者数ですよ、ドイツさん。

独:感染…確定者数だな、了解した。

日:加藤厚生労働大臣を庇うわけではありませんが、厚生省はアメリカCDCのあるグラフを指標に対応を行って来たのです、それがこちらです。







 









菊が白板に図を描いて見せた。
菊が図に書き加えた日本語をアーサーが英語に直す。
皆の視線が釘付けになった。



日:この点線が医療崩壊を起こす境界線になります。
医療崩壊が起これば、助かる命も助けられなくなります。
武漢やイタリアで起こっていることは医療崩壊が起きた結果です。

独:つまり、その境界線以下に感染確定者数を抑える必要があったわけだな。

日:感染確定者数が急拡大すれば医療機関のキャパシティ(容量・収容能力)を超え医療崩壊は免れません。
この図のように出来るだけ緩やかに感染確定者数が増えて行き、緩やかに終息させて行くことが重要だったのです。


図を注視しながら話していた菊は視線をG7メンバーに向けた。


日:Chinaが新型コロナウイルス肺炎の発生を隠し、春節も重なって世界中にChineseが旅行に出かけたり、或いは、世界中から帰国したりしていました。
日本には武漢から18000人が訪れていることがわかっていましたから、日本政府と厚生省は既に感染者が入り込んでおり、エンデミック(地域流行)は避けられないと考えていました。
こうした事態で一番重要なことは医療崩壊を起こさせないことです。
医師や看護師などの医療関係者を守り、死者をできるだけ低く抑える為には重症者を中心に治療を行うしかないと判断したのです。
その為に、検査対象基準を絞り、検査機関も地域の保健所とし、検査確定機関を国立感染症研究所のみとしたのです。
Koreaのように悪戯に検査を行って偽陽性者を多数生み出すことは、医療崩壊を招く事態にしかならないからです。

伊:イタリアはKoreaと同じで感染者を多数確定させ、治療の必要のない軽症者が医療機関のベットを埋めてしまったんだ。
だから、重症者の救助を諦めてトリアージ(命の選別)をするしかなかったんだ…
みんな…、ごめんね、ごめんね…


救えなかった子供たち、見捨てざるを得なかった数多の命…
イタリア・ヴェネチアーノは、泣きながらごめんなさい、ごめんなさいと謝り続けた…
欧州メンバーは誰しもが俯いてイタリアの嘆きの声を聞いていた。
明日は…、いや既に我が身にイタリア同様のことが降り掛かっていた。


EUはドイツ主導の緊縮財政政策と経済状況の悪化による財政難とで、病院のベッド数を大幅に削減していた。
千人に対する病院ベッド数が日本は13床に対し、イタリアは3床だった。
圧倒的なベッド数の削減は同時に医療機関の削減でもあった。
イタリアは欧州内でも高度な医療を誇っていたが、医療崩壊を起こした医療機関の現場は、重症者を受け入れることも治療を行うことも出来なかったのである。


イタリアの頭に手を伸ばしそっと慰めつつドイツは菊に言った。


独:我々は今後どうしたら医療崩壊を防げるだろうか?
終息に向かわせる為にはどうしたらいい…?

日:我が自衛隊の検査方法を見ていたフィンランド軍やイギリス・フランス軍が自衛隊方式、つまり日本方式に変えたと伺っています。
軍の助言を聞いて皆さんの政府も方針を変えたのではありませんか?
辛い決断だったと拝察します。
イギリスのボリス・ジョンソン首相の国民への呼びかけに衝撃を受けると同時に感動しました。
自国民にここまで言い切れることに…、そして、それを赦す土壌があることにです…








*****






■新型コロナウイルスに関するジョンソン英国首相の声明 | 在英国日本国大使館
www.uk.emb-japan.go.jp

2020.3.13
(抜粋)

自分は英国民に対して正直に言わなければならない,より多くの家族が,彼らの愛する人たちを寿命に先立って失うことになる。

しかし,過去数週間にわたって言ってきたように,我々は現在実施している明確な計画がある。そして,我々はその計画の次の段階に移る。
その段階は,この感染症をできるだけ押さえ込もうとするだけでなく,その拡大を遅らせ、それによって被害を最小化するものである。もし感染のピークを数週間でも遅らせられれば,天候も良くなり,通常の呼吸器系疾患で苦しむ人も少なくなり,病床も増え,医学研究の時間も稼げることから,NHS(国民保健サービス)はより強力な状態になっているだろう。
社会がよりうまく対処できるように,感染症のピークを引き延ばすことで,山をなだらかにすることができる。
最も重要なことは,感染症にさらされるリスクが最も高く,NHS(国民保健サービス)が最大のプレッシャー下に置かれるピーク時において,高齢の人々や最も脆弱な人々を守ることだろう。そのため,最も危険な期間は今ではなく,感染拡大の速度次第でもう数週間先である。
ゆえに本日,我々は計画を進める。明日以降,もしコロナウイルスの症状,つまり,新規に発症した継続的な咳や高熱が見られる場合は,それらが軽度であるとしても,少なくとも7日間家にとどまって他者を守り,感染症の拡大を遅くするべきである。

また,この段階において,高齢者の人々に直接伝えたい。この感染症はあなた方に対して特に危険である。確かに多くの場合軽微から穏やかな症状であるが,多くの人々がひどく心配になることを自分は分かっている。我々は,皆が高齢の親戚,家族内の最も脆弱な人々,隣人のことを考え,今後数か月にかけてそうした人々を守るためにできる全てのことを考えるべきだと自分は考える。我々は互いを助け,支えるために数百万規模の人々を動員する必要があるだろう。この期間,政府はあなたとその家族を助けるためにできる全てのことをすることを知ってほしい。

(略)







*****







伊:…これが、日本方式なんだね。
日本が必死で感染爆発を抑え込もうとしていた時に、イタリア政府は日本を非難し国民は嘲笑っていた。
アジア人を汚いと差別し暴力まで振るった…
馬鹿はどちらだったの!? 愚かなのはどちらだったの!?
答えは明確じゃないか!
日本、日本…、もっと早くから真面目に考えていたら、もっと早くに日本に倣っていたら…
こんなに死なせなくて済んだかもしれないのにィィィーーー!!!
どうしたらいいの、どうしたらァァァーーー!!!
もう、取り返しがつかないのにーーー!!!


わあァーーー!!!
泣き崩れるイタリアを、兄のイタリア・ロマーノが抱きしめた。
弟と良く似た面差しが、キッと菊を睨んだ。


南伊:ざまあみろと思っているだろうな。


気の強そうなオリーブ色の瞳を、菊は冷めた目で見返した。



日:…ええ、当初はそう思った者もいたでしょう。

でも、お人好しの我が子等は、イタリアの厳しい現状に心を痛めていますよ。

感染拡大がアジアと欧州とで逆であったなら、我が国がイタリアにならなかったとは誰も言い切れないのです。

我が国が感染爆発を回避できたのは、米CDCのこのグラフを指針としたからです。



菊の瞳は白板のグラフを見返した。




日:日本政府や厚生省はこの図に倣っただけです。

そして、それが功を奏しただけのことです。

でも…、だからと言って、日本政府の政策が全て正しかったわけではありません。

武漢新型肺炎の情報が出て来たと同時に入国禁止の決断が出来ていたなら…

新型インフルエンザ等対策特別措置法を有効に活用できていたなら…

我が国の憲法に緊急事態条項があったなら…

悔やまれることは多々あります。

しかし、それらを反省し悔やむのは後でいいのです。

今は生きている者を救済することに尽力し、新たなクラスター(集団感染)を防止し、生命活動を維持する流通を滞らせないことが大切です。

学校閉鎖・旅行制限・行事中止を命じるのは、『人々の感染を防止することを目的としているのではなく、人々の急速な感染を防止することを目的としている』ということを国民に理解させ協力を仰ぐことです。

『経済的損失、社会的損失を憂慮し、行動を遅らせると取り返しのつかない巨大な損失を被ることになる』ということを各国政府は理解し、国民の行動を制限することや国境を閉じることを躊躇してはならないと肝に命じることです。

そして…』







菊は白板につかつかと歩み寄り、図の『赤色』の部分を指し示した。



















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