視覚障害者にとって、あなたは透明人間。
見えなくて困ることは、二つだけ。

1、気づけない。
会釈されても気づけない。
汚れていても気づけない。
通行止めの表示に気づけない。
テーブルに置かれたお茶にも、あなたが席を立ってくれたことにも気づかない。

2、探せない。
空席や手すりが探せない。
係員がどこにいるのか探せない。
トイレではペーパーや水洗の位置が探せない。
押しボタンの位置が探せない。

でも、探す必要のないことなら、つまり身の回りのことならたいていできます。
着替えや裁縫、調理や洗濯、縄跳びやそろばん、メールなど。
視覚障害者からのお願い。

「さ」…触らないで。
誘導犬や白い杖、点字表記には触らないで。
点字はやたらに触ると文字がすり減ってしまいます。
杖や犬にではなく、私の肩や背中に触れながら声をかけて、私にあなたの腕や肩を掴ませてください。

「し」…静かにして。
見えなくなったからと言って耳がよくなるはずもなく、あなたと同じ耳で音を頼りにしています。

「す」…すれ違いときは私の背中をみて。
顔を見ていては前を横切りますが、背中を見るということは後ろに回り込まなくてはなりませんね。
つまりはあなたから避けてってお願いです。

「せ」…席を上手に譲って。
黙って譲られても気づくことはできません。
足は丈夫ですが、見えないとバランスが取りにくいんだよねー。
目を閉じて片足立ちすると体感できるかも。

「そ」…そっと見守って。
とは言っても、犬や私に危険が迫っているときは、大きな声で ストップと叫んで教えてください。
「危ない」では何がどう危ないのかわからず進んでしまいます。
だって、ただ階段を下りようとしただけなのに「危ない」と言われたりで、危ないには慣れっこなのよねー。私たちに「こっち」「もう少し…」なんてことは言わないで。
前や右、約○○メートル先など具体的な言葉で教えて。
「下がって」ではどの方向に下がればよいかわからずに危険な方に行ってしまうことも。

私に呼びかけてることに気づかせてください。私たちにとってあなたは透明人間だから。
「こんにちは」と言われても私に声をかけられたのかわからないの。

あと一歩進んだらホームから落ちてしまうような場合には、体を掴んで止めてください。

私たちを誘導する場合は、斜め半歩前に立ち、私の腕をあなたの腕や背中に触れさせてください。
黙って立たれても私から掴みに行くことは難しいんです。背中のつもりで旨に触れたら怖いからねー。

段差がある場合には一端止まって、登りかくだりか、一段だけなのかを伝えてください。横断する時や道を曲がる時にも、そのことを伝えてください。

犬や白い杖を引っ張っての誘導はしないようにお願いします。
-エムブロ-