言って御覧
2014.7.28 03:29 [Mon]
箱庭
 どうにかして重婚できる方法を、私はもう5年も考えている。

 だって、どうして、私は銀ちゃんも新八も好きなのに、二人と同時に結婚できないのか。
 いやだいやだ。二人とも離れていかないでよ。

 銀ちゃんと新八がお互いを好いているのを知っている。
 その好きは彼らが私にくれるものとは違うこと。私が彼らにあげるものとは違うこと。
 どうやら好きには種類があるらしいこと。
 私は最近知った。

 だってだってわからないよ。
 銀ちゃんも好きだし新八も好き、銀ちゃんも新八も私を好きでしょう?
 なんで一緒にいられないの。
 なんで私のお婿さんになってくれないの。
 銀ちゃんも新八も結婚してくれたら、ずっとずっと万事屋で3人でいられるのに。
 私のお婿さんは銀ちゃんで、銀ちゃんのお嫁さんは新八で、新八のお嫁さんは私で、そうやって3人でいたらいい。定晴も一緒に家族でいたらいいのに。

 身長が大きくなって、胸が膨らんで、定期的にお腹が痛くなって、それだけで私は何も変わらないのに。
 こっちを見ないでよ。ねとねとした視線に吐き気がしそう。
 ぞわぞわして、気持ちが悪い。
 そんな目で私を見るな。
 ただの人間のくせに。


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神楽が思春期と葛藤する話。
神楽は思春期に突入しても思春期っぽい行動はしないというか、精神が思春期に追い付いていないくらいが好き。

category:短文メモ/今後書く銀新
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