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根っこ

明るいからきっと真昼

部屋着で誰かと談笑している

たぶん家族とか親戚の誰か

こんなに楽しいのは久しぶりな気がする

寝転んだり本を読んだりした

またゴロゴロする

誰かに話しかけられる

雰囲気からするときっと従妹

でも従妹じゃない顔が全然違うから

違うと言うかボヤけてて解らない

『××××××××。』

『×××、××?』

『××!』

会話は覚えてない

すっと指差される

私の脚を見て何か言った

反射的に脚を見る

脹ら脛の内側なんか生えている

なんだろうこれ?

毛じゃない

毛にしては緑っぽくて太い

緑っぽいは1cmくらい皮膚から頭を出していた

ボタンは押すために

レバーは引くために

足から出た緑っぽいは抜くために

いやいや、んなアホな考え方はダメだ

そう思っているのに手は勝手に動く

いやいや、抜いちゃダメだろう

きっと痛いよ、痛いのは嫌だ

手は緑っぽいを掴んだ

グッと引っ張る

ああ少し痛いな

もっと引っ張る

皮膚から何か出てくる

メリメリと音が体に響く

ズリッと一気に抜けた

まるで植物の根っこ

ひげ根のように細かくはない

手のひらサイズの大根みたい

何でこんなもんが生えてくるのだ

不思議と血は出ていなかった

さすが夢

根っこが抜けると

脚にはぽっかりと穴が空いていた

次々と緑っぽいは足だけでなく

身体中に出てきた

ズルズルと抜き続けると

穴だらけになった

身体の断面が丸見えになった

私に内臓はなかった

血管や筋肉や血液もなかった

茶色っぽい粘着質な粘土みたいなソレが

私の血肉だったようだ

『××、×××××××(笑)』

背後から誰かの声が聞こえて

目が醒めた
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