言って御覧
2014.11.23 18:15 [Sun]
すべらかなて
 銀さんの手は冷たい。
 しかしいつも冷たいかというとそうではなく、どうやら気温に左右されるようだった。夏の暑い日、炎天下で草むしりしていて、麦わら帽子を渡されたときに触れた手は燃えるように熱かった。その年一番の冷え込みで雪が降った日に慌てて手袋をはめた手は凍えるほど冷たかった。
 末端冷え症とはまた少し違うその手が、僕はこわかった。
 どこまでも柔軟に体温の変化するその手が、いつか本当に冷たく氷のような温度になるかもしれないと思ったら気が狂いそうだった。


---
銀さんの指先が冷たかったらはーはーって息をあててあたためてあげる新八は可愛いと思います。

category:短文メモ/今後書く銀新
prev top next




-エムブロ-