あけましておめでとうございます。
新年早々今更な話ですが、恋次・ルキア結婚おめでとうございます!
この二人が好きな人間として、二人の祝言の話だと知って購入しない手はありませんでした。
正月休みのお供に購入して読んだので感想です。
最初に、表紙のルキア美人さんですね。
色鉛筆使って柔らかい雰囲気にしてるのがすごくいいなと感じました。
ピンナップとか中に挟み込まれてたカード(栞?)の表がルキア、裏が恋次の恋ルキ仕様になってたのが嬉しいです。
絵はこの本の表紙絵と単行本73巻表紙の使い回しでしたが、今まで恋次とルキアは作中で行動を共にすることは多くてもこういうのでセット扱いされることはあまりなかった印象なので嬉しくなりました。
(BLEACHは全編通してリアルタイムで追ったわけではないので実際のところどうなのかはわかりませんが)
題字の配色が淡い青と濃い赤という恋次とルキアを連想させられる色合いというところも好きです。
赤字になってる『knot』には結ぶという意味があり、結婚というテーマによく合ってるのでお祝いらしさを思わせていいですね。
内容は、二人の結婚式を巡ってみんながわいわいしてる話でした。
時間軸としては最終決戦から三年後、復興頑張ろうとする尸魂界の様子が丁寧に描かれてて、思ったより多くのキャラが出てました。
大変な時期だから恋次ルキアとしては籍だけの形にしたい→周囲は大変な時期だからこそめでたいことはお祝いしたいと説得→じゃあ式挙げよう、の流れは読む前からなんとなく予想してました。
でも実際読んでみると思った以上に皆が全力で祝いたがってて、しかも白哉兄様が率先して式挙げたがってて、胸が暖かくなりました。
率先といいますか、入籍手続きが大変なのを知ってるから結婚式の準備はこっちで全部やっておくという兄様の心遣いには心打たれました。当人達置いてけぼりでしたけど。
ファンの中には「妹さんを下さい」「ならぬ」のお約束問答を期待してる方もいましたが、個人的に兄様は断らずむしろ応援しそうなイメージだったので、本当にそんな感じで嬉しかったです。
知り合いに結婚報告する恋次の「おっほん」が面白かったです。そして挿絵の二人が可愛すぎてニヤニヤします。
というか約一名を除いて結婚報告にさほど驚いてなかったことから、結婚しても何ら不思議でない仲だと周囲に認識されてた事実にもニヤニヤさせられます。
恋ルキはすれ違い期間中のギスギスした空気は何だったのかってくらい和解後は親しげでしたけど、恋ルキ好きの贔屓目ではなかったんだなぁと。
それと花太郎の言葉に同意したいです。
最終回で結婚して子ども出来たと知ったとき『ありがとう』って言いたい気分になったのです。ありがとうお二人さん。
そしてお祝い下手な兄様が微笑ましいですね…
日番谷が一時的に成長したあの姿の名称について大喜利始まったのは笑いました。というか檜佐木が本当に公募企画実行したら大喜利コーナーになりそうな予感です。
乱菊・弓親・清音と一緒になって恋ルキの出会いから求婚までを根掘り葉掘り聞きたいです。
いや出会いは本編でやってますけど、お付き合い始めた時期とか求婚とかそのあたりをですね…まぁ明かされないというのもこれはこれで妄想膨らんで楽しいですけどね。
檜佐木さん瀞霊廷通信の阿散井・朽木両副隊長御成婚特集号一部下さい。
……そういえばネットでの噂によると、ジャンプの公式イベントで本当にそういう雰囲気の新聞出したらしいですね。地方住みで該当イベント行ってないので所持してませんが。
一部書店でこの小説の発売を祝して招待状配布したとの情報も見ましたが私は入手できてないのでよくわかりません…
ここであとがきのネタに触れると、小説の作家さんは告白及びプロポーズは原作者が漫画で描くべきだと考え、敢えて告白や求婚の描写省いたらしいんですよね。
私個人としても、そのあたりは原作者に描く気がないならいっそ何も描写せずに読者の胸の中で自由に思い描く形のほうが楽しいと思ってるので有り難い措置でした。
まぁそうなので、もし告白・睦み合い・プロポーズなど恋次とルキアの直接的な恋愛描写を求めて読んだら期待はずれだと思われます。
私は恋次とルキアが原作終盤くらいの距離感で仲良くやってれば恋ルキだと捉えてしまう思考回路してるので充分恋ルキだなって思いました。
長いので以下追記。
入籍手続きが予想以上に複雑なことを知って「婚姻させまいとする悪意すら感じる」と頭抱えてる恋ルキが可愛かったです。
ヤケ起こして「俺達の入籍はここからだ――!!」な恋次からの【阿散井先生の次回作にご期待下さい!】には笑いました。
無駄にリバーシブルですが、ルキアは朽木ではなくなりに行くというのに朽木先生とは…
漫才ノリな恋次とルキアは面白くて可愛くて大好きです。
そしてこの話で予想外の可愛さを見せたのは幼い人狼兄弟でした。射場さん面倒見良くて微笑ましいですね。
挿絵はついてましたが、もこふわが動く様子はぜひ漫画とかアニメとか絵が見える媒体で見たかったです…小説なのがもったいない……絶対可愛い……
JBOOKSチラシ内で「死神度★★★」「ラブ度★★★」に加え「犬度★★」と紹介されてたのは彼らのことでしょうかね。
人狼弟と恋ルキが絡んでるの可愛かったです。恋次はああいうテンションで子育てしてそうですね(突然の妄想)
甘い匂いにつられてルキアに鼻近づけた人狼弟を引き剥がして窘める恋次を見て「旦那っぽさあるなぁ……」とときめきました。
逆に恋次の部屋の片付けを手伝うルキアは嫁さんらしくてとてもいいです。これもう既に夫婦ですね。まだ手続き中のはずなのに。
恋次ルキア白哉での食事シーンも良かったです。この三人の組み合わせが好きです。
白哉がルキアのためを思って恋次の礼服用意したという意図をあっさり汲み取ってる様子を見て、なんだかんだ恋次と白哉も良好な関係築いてると思わされました。
この小説内の説明だけでも六番隊は格式高くて厳しそうな印象受けて、恋次は大雑把なところあるのによくこの隊の副隊長できるなと思いましたが、こういうところ買われてるんでしょうか。
やっと手続き完了して『阿散井ルキア』と呼ばれたルキアが頭真っ白になって、阿散井と呼ばれ続けたら精神崩壊の恐れがあるから旧姓で通すことにしたという流れが可愛すぎました。
そんな理由で仕事では旧姓使うなんてルキアは恋次が大好きなんだなと思うとこれまたニヤニヤさせられます。
恋次も書類の『阿散井ルキア』の文字列見てから結婚したことを実感してて、ルキアが仕事名変えないのに若干不服そうな反応など…
でも最終的にルキアの意思尊重するところが恋次のいいところじゃないかな、などと勝手に考えてます。
そんな恋次がちょっといいこと言おうとしてたのを兄様が遮って自分の用件伝えたのは、言わなくても解ってるからいちいち言うなってことだと受け取っておきます。
恋次はいつぞやの食レポといい語彙力が足りないので言葉でカッコつけようとしても裏目に出かねませんし。笑。
兄様は変なところで不器用ですね…なんだか微笑ましいです。
現世パートでは、ルキアと織姫の友情が可愛くて感極まってポロポロ泣く織姫にもらい泣きしそうでした。
ルキアの赤さが織姫への結婚報告時>恋次からの求婚時、だったらしいことからどれだけの友情だったのかと捉えるべきか、それほど恋次には遠慮のない仲だったというべきか。
どちらにしてもそれぞれの絆が素敵なことにかわりはないのですけどね。
とにかく織姫が可愛くていい子でした。
浦原さんや夜一さんの協力もあったとはいえ、ルキアのベールのために知り合いほぼ全員あたる行動力がすごいです。
リルカとの会話も良かったです。リルカがツンデレみたいで可愛かったです。
織姫やたつきなどの現世組の近況も色々わかってよかったです。
チャドが差し入れケーキの中からさりげなく可愛いもの取ってるのがらしくて微笑ましいです。地味に(?)可愛いもの好きでしたね…そして石田はメガネミシンでしたね……
ベールの刺繍が苺の花というのがいいですね。花言葉もぴったりでいいですね。
もしや娘さんの名前はこれから頂いたものなのでしょうか。
みんなからルキアへのお祝いの気持ちを込めた刺繍の花からとったんだと思うと納得ですし素敵すぎて泣けてきそうです。
織姫が花言葉知ってて、石田が更に詳しく知ってるところがなんともらしい感じがして面白いです。
茶渡や石田らが帰ったあと、織姫が黒崎家の一員のように溶け込んでる様があたたかくてとても良かったです。
独創性あふれる料理センスは相変わらずですね。
式始まってからは、ルキアの花嫁姿見てボロ泣きする織姫に再びもらい泣きしそうな心地でしたし、さりげなく撮影係引き受ける一護の優しさもよかったです。
この小説、一護と織姫の絡みもすごく良かったのでそっちの二人好きな人にもぜひ読んで欲しいです。
そして白哉がルキアを恋次に送り出しながら呟いた一言が良かったです。ずっと言葉ではストレートに祝ってなかった人が最後に絞り出した一言だと思うとすごく重みがあります。
兄様はルキアには微笑んだり寂しそうにしたり、ちょくちょく感情出すんですよね。
普段あまりにも言動に感情を表さないのでわかりにくいですが、ちゃんとルキアのこと大切にしてたんだなぁと思うとこの二人の兄妹愛にも胸がいっぱいでした。
お幸せに…
最後の宴では、海燕の件について浮竹や一心の気持ちが明かされてこれも良かったです。浮竹さんの胸中を話す京楽さんの気持ちも思うと切ないです。
あの一件でルキアはかなり心を閉ざしてた印象でしたが、こんなにも気にかけてくれる人がたくさんいたんだな、ルキアはひとりぼっちじゃなくみんなにちゃんと愛されてるんだな、と思わされました。
全体的にルキアや恋ルキ夫婦への愛に溢れててチラシの「ラブ度★★★」には納得です。むしろ★追加したいくらいです。
浮竹さんは故人の割には小説内でかなり存在感ありました。
病弱だからでしょうが、常日頃からいつ命が尽きても悔いはないように準備して生きてたのが伝わってきて切ないといいますかなんといいますか。
最後の最後、恋次が一護と織姫を進展させるための背中押す役になるとは思わなくて驚きました。
一護と恋次の友情もいいですね。
気の遣い方が下手すぎて織姫が鈍いタイプであることに助けられてる部分もありそうです。
なんせ結婚して親密さ増した恋ルキ見て「お、お、お付き合いを始めたのでは!?」ですし。
「何十年もグズグズしてたくせに急に兄貴風吹かすんじゃねーよ」という一護のツッコミが最も過ぎてちょっとおもしろいです。
でも最後はちゃんと織姫に声かけて、未来のさらなる絆を匂わせる余韻のある締めでとてもよかったです。
まとめると、個人的には思った以上にあたたかくて優しくて楽しくて満足できる物語でした。
みんなが恋次とルキアを祝福してる様子を見てるとこっちまで嬉しい気持ちになって、恋ルキ好きで良かったなぁ…と感慨無量でした。
でも少年漫画の本編でやるような話かと言われればそうでもないように感じたので、こうして外伝小説の形にするのがちょうど良かったと考えてます。
なんというかもう、ありがとうございました。