福島の秋は実りの秋。

リンゴ、梨が美味しく、柿も美味。
あんぽ柿は甘く、柔らかく、栗も美味しく栗ごはんは最高。
請戸の川に鮭が昇り、新米で食べるイクラご飯は幸せの味。
山にはキノコが沢山生えて、道の駅はそれを目当てに訪れる人で賑わう。
右を向いても左を向いても美味しいもので溢れる福島の秋は、今年も例年とほとんど変わらぬ実りを私達にもたらしてくれましたが、今の私達は悔しいことにその喜びを心から味わう事はできずにいます。

昨日のニュースでは伊達市であんぽ柿用の柿の収穫がボランティアの人達の手で行われたとやっていました。
ことしあんぽ柿は生産を自粛するように指示が出ています。
だから、この収穫は廃棄の為の収穫です。
木に付けたままだと来年以降の生育に支障をきたすからです。
山為す美しいオレンジ色の柿が誰にも食べて貰えずに捨てられると言うのはやるせない気分になります。

福島のある地区では自主検査で基準値越えの米が発見され、出荷が出来なくなりました。
全県検査を終えて出荷できると思った矢先の事でした。

そして地元の公園。
知る人ぞ知る銀杏の穴場なのですが、今年は殆ど採る人もなく踏まれるばかり。

あんぽ柿の生産者の方は
「これから木の除染をして、来年こそは安心して食べて貰えるようにしたい」
とおっしゃっていました。
私は福島の米も野菜も食べます。
でも、拾った野生の銀杏をおうちの人に食べて貰えない子供のがっかり顔を見るにつけ
来年は安心して道端の木イチゴやイチジクに手を伸ばし、あつあつの封筒焼きの銀杏を食べることができるのかな? と思わずにはいられません。

食料選択の自由を、早く返して欲しいものです。