「発熱外来」3割が積極的に公表せず…厚労相、医師会長に協力要請

2/1(火) 21:36
読売新聞オンライン

 後藤厚生労働相は1日、日本医師会の中川俊男会長とテレビ会談し、新型コロナウイルスの感染の疑いのある患者を診る「発熱外来」の約3割が、発熱外来であることを積極的に公表していないとして、改善に向けた協力を求めた。

 厚労省によると、都道府県が指定する発熱外来は全国に約3万5000医療機関ある。しかし、都道府県や医療機関のホームページで「発熱外来」であることを明らかにしている医療機関は約2万3000にとどまっているという。

 後藤氏は会談で、発熱外来の現状について「一部の医療機関に患者が集中しているとも聞いている」と述べ、発熱外来であることを積極的に公表していない医療機関に対し、医師会から検査・診療への協力を呼びかけるよう求めた。

 変異株「オミクロン株」の感染急拡大で発熱外来を訪れる人が急増し、症状があっても検査や診察を受けるのに時間がかかる事態が各地で起きている。

 後藤氏は「検査や診療の予約が取りづらいという声も聞かれる。さらなる拡充をお願いしたい」とも述べ、発熱外来を増設する必要性を強調し、医師会の協力を要請した。

 また、遅れが目立つワクチンの3回目接種への地域医療機関の協力も促した。

 コロナ症状が安定し、重点医療機関から早期に退院できる患者について、地域の医療機関による受け入れ促進も求めた。回復患者を地域医療機関に移せなければコロナ病床が空かず、病床逼迫(ひっぱく)につながるためだ。高齢者施設での医療体制を整えるため、施設への医師派遣への協力も要請した。

 中川氏は、発熱外来については「拡充に努めたい」と応じた。抗原定性検査キットが発熱外来で不足しているとして、優先配分を重ねて求めた。ワクチン接種に関しては「ワクチンさえあれば現場の医療機関はしっかり遂行する」と述べた。