米、学校でのマスク義務撤廃広がる 感染減で厳格な州も

2022年2月8日 3:49

【ニューヨーク=野村優子】米国で学校でのマスク着用義務を撤廃する動きが出てきた。東部ニュージャージー州やデラウェア州が7日、マスク着用義務を撤廃すると発表した。新型コロナウイルスの感染者数が減少するなか、正常化に向けて厳格な感染防止策を設けてきた州も緩和に動いている。

ニュージャージー州は3月7日に、学校の屋内におけるマスク着用義務を撤廃する。州内の感染者数が急減していることを踏まえて判断した。マーフィー知事は同日の記者会見で「この決定は子どもたちの正常化に向けた大きな一歩となる」と述べた。

デラウェア州も同日、幼稚園から高校までの生徒や教師に対するマスク着用義務を3月末で撤廃すると発表した。併せて、屋内の公共施設でのマスク着用義務も2月11日に撤廃するとした。

学校でのマスク着用ルールの撤廃は今後も相次ぎそう。ペンシルベニア州は1月に州のマスク着用義務を撤廃し、それぞれの学区が方針を決められるようにした。ニューヨーク州やコネティカット州も、学校でのマスク着用ルールの見直しについて協議している。これまで共和党が知事職を握るテキサス州やフロリダ州では、学校でのマスク着用義務を禁止する動きはあったが、厳格な感染対策を行ってきた州も緩和に動き始めた。

米食品医薬品局(FDA)元長官のスコット・ゴットリーブ氏は6日の米ABCテレビで、感染者数の減少がみられる学校ではマスク着用義務を撤廃する動きが出てくるとの見方を示した。「多くの子どもたちが2年間、通常の学校生活を送れてない。我々はそれを取り戻すため、前のめりに取り組まなければならない」と述べた。

米国では感染者数が急速に減少している。米疾病対策センター(CDC)によると、新規感染者数(7日移動平均)は4日に31万人となり、1月中旬につけた過去最多の80万人超から6割減少した。