ワクチン接種後の長引く体調不良 「支援・理解なく孤立」高校生ら訴え

2022年4月14日 6:00

 新型コロナウイルスのワクチン接種後、半年以上も体調不良が続き、登校もままならない高校生の保護者から窮状を訴える声が「読者とともに 特別報道室」に届いた。取材の結果、理解や支援を得られないまま孤立する現状が浮かび上がった。(武田俊郎)

 話をしてくれたのは、仙台市の私立高2年の女子生徒(17)と、東京都の公立高2年の男子生徒(16)の保護者ら。いずれも昨年11月末の本紙記事「ワクチン後遺症、私も」を読んで情報を寄せた。

 仙台の女子生徒は1年時の昨年9月上旬、1回目のワクチン接種直後から発熱や倦怠(けんたい)感、頭痛、腹痛、胸痛が始まった。学校から「(休むと)欠席になる。多少の熱でも授業に出るように」と言われ、37度台の熱があっても登校した。

 欠席日数分の課題を提出するなどして留年は免れたが、2年になった今も「起き上がるのがやっと」の日が多いという。母親(47)は学校にオンライン授業などの対応を求めたが、「設備が整わない」などの理由で断られた。

 東京の男子生徒は昨年9月に2回目のワクチン接種後、激しい頭痛が始まり、登校できない状態が続く。さまざまな検査を受けたが異常は見当たらず、最終的に都内の病院で「ワクチン接種後の後遺症疑い」と診断された。

 治療法がなく、鎮痛剤を服用して日々しのぐ。母親(51)は「息子は大学進学を望むが、体調が万全でない中、自習だけで受験は難しい」と、学校側に学習支援を求めている。