ああ小指を綺麗に着飾って、マノン、君は仕合せそうに包帯を巻く。第一幕の始まりの舞台は何時だって夜明けだという。小野寺でございます。





最近の不埒な愚行の数々を、誰か止めてはくれないか。マノン、誘惑の晩餐に逃げ出せてしまえばもう他に何もいらないので御座います。手放してしまいたい、ただ、それだけなのです。




記憶の君は笑う
過去は余りに残酷で、私になにも残してはくれない。マノン、君を忘れてしまえたのなら、それ以上の仕合せは無いだろう。そしてそれ以上の不幸でさえも。




人間に腹を立ててしまえる内は、私もまだ人間なのだろう。そう実感してしまえば、とんだ三白眼の彼でも愛せてしまえるのでしょうね。もう、丑三つ時を過ぎてしまっている今なのです。







揺れる船は二人の逢瀬に
潮風にまかれて、マノン、弱々しく握られた両手に涙を流す



オペラで一曲
私の思惑、すべては世紀末の出来事でありました。