ここは原発最前線の町

「おなかが痛くなった原発君」という動画がネットで有名です。
いろいろ賛否両論あったりするみたいですけれど、私はいいと思います。
解り易くて、楽しくて、ホッとできます。
そして何より、それを作ってくれた人の思いやりが感じられます。
福島県に住む私達が一番気になるのは確かに原発の件です。
でも、繰り返される報道の多くは、同じことの繰り返し。
私達を安心させてくれません。
もはや本当に安心できる状態ではないのかもしれません。
それはもうある程度覚悟をしています。
原発報道で「直ちに」健康被害はありません。
と報道されると「直ちにってことはいつか、問題が出るんじゃないか！」
と心配して下さる方もいます。
でも、そんな気休めの「直ちに」でも私達には必要だったりするのです。
この福島で生きて行く為には。
現実から目を背ける為ではなく前を向いて生きていく為に。
もう行政局のホールのテレビは着いていません。
テレビで流れるニュースはもう私達にほとんど何ももたらしてくれないと解っているからです。
私も日に何度か、ネットでその日のニュースを確認するだけにしています。
報道番組を見ても精神的に滅入ってしまうだけですから。


震災直後の報道は、ある意味正直であり、暴力であったと思います。
勿論被災地の現状を知らせ、救いの手を差し伸べる為に報道が果たした役割も大きいとは思います。 けれど、彼らは本当に危険と思うところにはやって来ないのです。安全なところから苦しむ人々を映すだけ。


決して情報を隠せとか、辛い話を聞かせるなと言っているのではありません。

でも、被災地に救援の手が回るようになってきたこれからは、被災地の人間が少しでも明るい気持ちになれるような番組や報道を増やしてほしいと思います。

原発関連についてはいろいろと思うところは今もあります。
特に東電には言いたいことが山脈山々。
今も、明るいニュースは余りでてきません。
でも、結局何もできないのなら、私達は原発で働いている方を信じて待とうと決めたのです。
それに空気中の環境放射能は少しずつですが減っています。
仲間の測定する値を信じられなくなったら終わりとは何度も言ったことですが、原発からの直線距離に比べ驚く程値が低い我が町よりも、遠いのに風向きの関係で値が高い地域の方々のご心労は私たち以上だと思うのです。
福島や飯館の皆さんは大丈夫でしょうか。
いつもコメントで励まして下さる寒しじみさんは福島の方です。
こちらと同じなら４月からは保育施設なども開所する筈。
きっと心配であろうと思います。
どうかご無事でいて下さい。

重なる余震もあり、私達は被害の少なさの割に今も被災者の冠を脱げずにいます。
国は簡単に地図に線を引き、逃げろとか屋内退避とか言いますが、現在日本中に被災者が溢れている現状。
「どこに逃げても結局は同じではないか」
という思いが私達にはあります。
先に現在屋内退避のエリアに自主避難の勧告が出されました。
地元の避難者の為に避難所の準備を整えましたが、避難希望者は２日を経ても０。
本当に心配で避難が必要な方はもう逃げていますし、そうでない方はここにいたいのです。
生まれ育った町を離れたくはない。
離れざるを得なかった人も大勢いますが、もし叶うなら多少危険でもここにいたい。
それが今の私達の心からの願いです。
直ぐに良くなって欲しいとはもう言いません。
ただ、これ以上状況が悪化することなく、一人の被ばくによる死亡という犠牲者を出さずに事態が収束してくれることを願うばかりです。

あ、風邪はほぼ治りました。
長引かずに済んでよかったと思います。
まだまだ戦いはこれからですから。