Dr.グレアは自ら本部へと出向いていた。
「私の可愛いマキナ達、本部を襲撃するのです!!」
戦闘員マキナは一斉に本部襲撃にかかる。本部では事前に隊員を配備していた。
宇崎は隊員達に指示。
「怪人を館内に入れるなっ!仁科、お前が現場を仕切れ!」
「了解しました」
現場に駆り出されたのは副隊長の仁科・ベテラン隊員の桐谷・変わった武器を好む霧人・新人隊員の吾妻と氷見だ。
「敵は全て戦闘員クラスだね。桐谷、ロケット砲で派手にやってもいいよ」
「了解」
桐谷は久しぶりに大型銃火器を使えるとあって、珍しくテンションが高い。
「俺達はこっちを片付けるから、副隊長と桐谷さんはそっちやってくれますか」
霧人は新人隊員2人と共に戦闘員を倒すことに。新人隊員2人は乱戦状態になりつつも、確実に倒していた。
「吾妻、得意のあれやってよ」
氷見は吾妻をわざと煽る。
「氷見〜、何わざと煽ってんだよ」
吾妻は気合いを入れ、構えた。
「んじゃ、行きますか」
吾妻は肉弾戦で次々戦闘員を撃破していく。氷見も戦闘員相手なら肉弾戦が早いと思ったのか、こちらも空手を活かして格闘している。
仁科と桐谷は連携していた。
「桐谷、一網打尽にやっちゃって!」
「既にしてますよ」
戦闘員マキナの数は10体以上。グレアは高みの見物をしている。
「なかなかやりますねぇ〜。これは…私自ら行かなければならないかもしれないか。しかし、いい画だな!ハハハ!!」
グレアのマッドサイエンティストぶりが全開に。大量の怪人を投入したせいか、グレアは楽しそう。
司令室。
「八尾、大丈夫か?無理せず水分補給はしておけよ。ぶっ倒れたらマズイから」
御堂は八尾に気遣う。
「少しだけ…慣れてきました。司令補佐って年中この格好なんですか」
「夏はコート着ないけど、基本的に長袖手袋スタイルだ。火傷の跡を人に見せたくねぇんだよ、あいつはな」
「ナチュラルに私のこと『八尾』と呼んでますが大丈夫なんですか…?」
御堂は説明した。
「今司令室には室長と俺、北川さんしかいないだろ。俺らの前では少し力抜いた方がいい。
ただ…他の隊員、特にお前と同じ新人隊員には悟られるな。八尾は体調不良で休んでることにしてるからな」
「徹底してるんですね」
「本物の鼎には彩音と梓がいるから心配すんな。八尾は任務を全うすればいい。司令室は基本的に隊員しか来ないから、滅多に悟られることはないだろうが…。
とにかく八尾はあまり喋らない方が無難だぞ」
あまり喋るなって言われても…パニクったら喋っちゃうよ…!
八尾は内心まだ少しパニックになっていた。仮面がなかったら間違いなくバレている。
司令補佐って…大変なんだな…。人前では火傷の跡を見せたくないから、長袖に手袋スタイルなんだね。
肌がほとんど隠れているせいか、まだちょっと暑い。人前では常に仮面着けっぱなしって…キツいかも。
影武者も楽じゃない…。
本部周辺では仁科達が戦闘員と激戦を繰り広げている。
「また出てきた!倒してもキリがないよっ!」
霧人が音を上げそうになる。吾妻と氷見は新人隊員とは思えないくらいに冷静に倒してる。
「渋谷さん、演習場に戦闘員をばらまいたやつがいます!科学者かな?」
氷見は気づいた。明らかにマッドサイエンティストな風貌の男性が本部敷地に侵入していたことに。
「気づかれたか…。つくづく勘のいいやつだな〜。
仕方ない。相手をしてやりましょうかねぇ」
グレア、ようやく本気を出す。
某所・畝黒(うねぐろ)家。
「イーディス、グレアに行かせていいのかい?」
「あ、あいつが単独で行ったのよ!」
當麻にいきなり聞かれて緊張するイーディス。
「グレアが本気を出したか…見ものだな〜。本部に打撃をさらに与える算段か。マッドサイエンティストらしいね」
解析班は敵の本拠地を探っていた。
「チーフ、あれからずっと同じような作業ばかりしてるけど…敵のアジト見つかるかな…」
矢神は自信ない。
「朝倉、その敵のアジトについてなんだが。あの配信のおかげでようやく場所がわかったよ」
「神(じん)さん、アジトわかったの!?」
神は淡々としている。
「イーディスによるネット配信が行われた場所…静岡県某所にある、畝黒コーポレーションの一室だ」
「畝黒?畝黒コーポレーションって謎だらけの黒い噂のある大企業よね。…静岡にあったの!?実在してたんだ…」
「だから敵の大元は畝黒家。噂では畝黒家のやつらは人間ではないと聞いている。ゼノクに来た不審な親子はそいつらの可能性が高い」
「ゼノクも水面下で攻めてたっていうの!?」
「俺の推測はこうだ。イーディスは紀柳院と因縁があると聞いた。そのイーディスがネット配信で彼女を公開処刑→当然理不尽なバッシングに逢う。現に紀柳院は精神を病んで休養してるだろ。
その後で本部襲撃ってあまりにもタイミングが合いすぎてないかという話だよ。
イーディス以外にも組んでるやつがいる。そいつが本部襲撃を企てた」
「ラスボスが大企業の元締めで異形って…めんどくさい展開になってきたわね。司令は把握してんの?」
「畝黒家が諸悪の根源だと突き止めていたって。ただ場所がわからなかった」
司令室。
「朝倉、それマジか!?敵のアジトを突き止めた!?」
「静岡県某所にあるってことがわかったのよ。感謝するなら神さんにしてね」
静岡県に畝黒家が…。
グレアは高笑いしながら仁科達に攻撃する。
「どうした!?この程度ですか?ゼルフェノアの隊員達!!アハハハハ!!」
「なんだよこいつ…強い!」
仁科が苦戦している。グレアはマッドサイエンティストならではの装備で戦っていた。
もはや怪人なんてどうでもいい。グレアはゼルフェノアとの戦いを楽しんでいた。
「もっと遊びましょう?もっと強い人間と戦いたいですねぇ」
グレアは仁科に強力なダメージを与える。
「副隊長!!」
新人隊員2人はざわめく。
「俺のことはいいから早くこいつを止めてくれ…!」
桐谷と霧人もグレアに立ち向かうも、苦戦。
なんだよこいつ…イカれてる。こんな科学者がいたなんて…!
第6話へ。