サンドウィッチ

病院のあと、榊と待ち合わせして、落ち合った。
僕の方が先に済んだので、榊のいる施設のもとへ。


所用の区切りがついたとのことで、その施設のプロムナードの隅で
病院側の地元サンドイッチ屋さんで買った名物サンドを食べていた。
(検査のために朝食を抜いた僕は、持参した軽食も食べていたんだけど、
診察中のショックもあったのか、終わった安堵感か…)

買い食いもめったにしないし
ましてやパンなんて(僕はご飯をおかずにご飯を食べるくらいに、ご飯党)。
でも、美味しくて、楽しかった。

榊にもわけた。
ちゃんと朝食をとったので、味見程度で、僕に返してくれた。
僕はあれこれ話しながら、頬張った。
ストレスによる過食かもしれないけれど、拒食気味だったから、頬張ることが、久々に楽しくてしょうがなかった。

榊も
よく食べられててよかった、と言ってくれた。

膵臓

久々の都立病院。

体調不良の時にかかった病院で、検査したら
メイン症状とは関係ないはずなんだけど
臓器に脂肪腫があるってことで
ここを紹介されて、以来、
定期的に診てもらっている。


都立病院にはなかなかかかれないのよ、とどこかの誰かが言ってた気がして
血液検査(即時結果)と腹部エコー、診察程度なんだけど
ここにお願いしている。


朝イチで血液検査して
結果出るまでにエコーやって
結果が出揃ったら、診察呼ばれて
「はい、今回も異常なしです」
終了。


みたいな感じなので
通院やめようかな、頻度下げてもらおうかなとか、
安い、適当な近場の病院に変えてもらおうかなとか
思うこともあるけれど

そう思う時に限って数値悪くなったり、おや?という変化があって、その度に
「この先生/病院でよかった」と思っている。



今回も
病巣に見た目の変化があって
先生と話をしていたら

先生が当初から本当にかなり心配してくれていたことがわかった。


たしかに初めてかかった日に
「30歳? 僕の半分くらいじゃん。まだ若いのに、ねぇ」
って言っていた。

脂肪腫の大きさは2センチ程度なんだけど

僕は他にも腫瘍系の病気をしたことがあって
それが8センチだとか、5センチだとか、1〜2センチが複数とか
そんな数字をたくさん聞いていたから

大したことないと思ってた。
思って「た」。



でも、この日、ひょんなことから先生が教えてくれた。

脂肪腫で2センチは小さくないんだ、と。
だから慎重に観察させてもらってたんだよ、と。


一瞬頭の中がカポーンと空洞になった。
(そういう緊迫感は、先生、あえて一切表に出してなかったけど)
そんな中での、見た目の変化って、怖い。


先生はcancerの研究をしていて
ガン化する前に脂肪細胞が発生する説を追っている。
つまり先生の頭の中の可能性には、つねにソレがチラついているってことなのだ。

自分の甘さを恥じたり、
先生の医者としての矜持にただただ感服したり。

もう一度、今一度、
自分の未来を案じてみたり、でも自覚症状もないから、大丈夫かなぁ?と思ってみたり
(沈黙の臓器なのでそんなこと言ってられないのだけど)
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