ブーローニュの森でスケートを

カレンダーの図版をパネルに仕立てた。

ルノワールの冬の絵。

額はつけなかった。本音は面倒だったから。でも結果それでよかった。
絵が閉じ込められることなく、外界と接して、あわよくば侵食しようとして。
その活性と存在感が僕をわくわくさせる。

「ねぇ、見て。」

僕は榊に何か言って欲しくて、甘えた。

「ん? あれ? どうしたの?(笑)」

榊も、気づいて、なんだか可笑しそうにしていた。

「気に入ってたカレンダーの絵をね、パネルにして飾ったんだ。
嫌だった?
鴨居にのせてるだけだから、すぐはずせるよ」

「いや、いいよ。」「お前が、してもいい? て聞かずにやるなんて珍しいね」

あぁ確かに!