2010-4-10 05:04
雨が降り出した。
全てを押し流そうと、雨が…
++終焉の日に++
今まで自分が吐いた嘘と、自分が言った真実(ホントウ)…。
どっちが多いかなんて、解りきっていて。
嗚呼、きっと、この雨は泣けない僕の代わりに泣いた神様だ。
そんな、夢見がちなことばかり考えていられたら、キット幸せだったのに。
無理だったんだ、そんなもの。
言い訳だらけの自分に嫌気がさして。
何もかもを放り出して、こうして僕は細く、細く、降りしきる雨に打たれながら、フェンスを乗り越えた。
後は、そう、重力に従う様に一歩踏み出して、バランスを崩せばいい。
ただ、ただ、それだけで僕の世界は終わるんだ。
僕の明日は死と言う絶対なる終焉に押しつぶされて訪れる事は無い。
それは言いかえれば、絶対的に平等に与えられた権利。
終止符を打つという権利。
そして、義務。
生きている以上、僕は僕という主人公の人生を書き連ねていかなきゃならない。
でも、もう、疲れたんだ。
嗚呼、誇れるものなど無いまま。
こうして誰かに忘れられて朽ち果てたくないから、目立つ死に方を選んだ僕は何て迷惑なんだろう。
でも、人間なんてそんなもんじゃないのかな。
エゴイストで寂しがりやで、そして、偽善者だ。
僕と言う存在に止めを刺したのも、偽善者たる人間に他ならない。
ああ、そんな破綻した理論なんてもうどうでもいい。
後は、踏み出すだけなんだから。
それで、全てが、総てが。
終わるんだから。
世界に、さよなら。
下らない友人にさよなら。
両親に、さよなら、ごめんね。
全てに、さよなら。
少女は一歩踏み出した。
その先に彼女を支える地は無い。
彼女は重力によって大地へと遥か下のアスファルトへと自由落下を開始した。
風を切って、堕ちていく。
さながら堕天のように。
背から翼をもがれた鳥の様に。
足掻く事もせずに彼女は堕ちていく。
その口の端に笑みすらはきながら、尚、堕ちていく。
それが当然で、必然であったかのように、堕ちていく。
「ホントにそれで、いいのかよ?」
風の中で聞こえた大人びた少年の声。
少女は答えた。
「さぁ?」
少女には解っていなかったのだ。
これが自分の吐いた嘘の結果なのか、真実の結果なのか等。
只、耐えられなくなったのだ。
生きることも、死ぬ事もどうでもよくなったのだ。
だから、首を傾げた。
アスファルトへと叩きつけられる数瞬前に彼女は器用に首を傾げた。
「誰も愛さないまま死んで、誰からも悼まれないのでいいのかよ」
少女は笑いながら言った。
「偽善者、それとも、貴方は私を愛してくれるの?」
声は答えを返さなかった。
少女の記憶は其処で終わった。
痛みは在ったのかどうかさえ、解らなかった。
少女にはもう何も解らなかった。
闇に溶けた。
不思議なのは、死してなお、自我が残っている事実であった。
「死なせてやらねぇよ」
言われてそちらを見ようとした。
そうして理解した。
嗚呼、捕まった、と。
逃げたかった存在にいとも簡単につかまったのだと。
そう、彼は死を司る黒い、神様。
「お前は、初めから終わりまで、俺様のモノだ」
そう、彼は私を私にすら渡そうとしない。
でも、解った。
「ねぇ?愛してくれるの?」
尋ねた問いに答えは無い。
けれど、彼はニヒルに笑って答えの代わりに私を喰らう。
それが、彼なりの愛なのかもしれない。
ああ、きっとお互いが狂い果てた。
終われ。
取り敢えず、メモみたいなものです。
その内加筆修正してHPの方にのっけます;;
久々の黒神夢にしようとしているのにこの暗さ。
やばいなぁ。
もちょい甘いのも書きたいのに…。
でわノシ
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