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【小ネタ】其処に意味があるのなら。


例えば、こうして、金髪碧眼やら、銀髪晴眼、真っ赤な髪に、鳶色の眼、極めつけが真っ赤なマントに黒髪紅眼、皆一様にこっちを見ている今のこの状況にも意味があるんだろう。


とは言え、天井から現れた、否、落っこちてきて無様に団子状態な彼等は下手に動けば、うん、一番下の哀れな奴が死ぬよね?


私が傍観に徹しているのには訳がある。
彼等は私の一人暮しの住まいである、ちんまいワンルームマンションの一室に落っこちてきている。
そして、私はまさに起床した瞬間で…。
私はハイベッドで寝てる。
つまり、足の踏み場がない我が家ではベッドから降りることすらままならない。
踏んでもいいなら、降りるけどね。

「おい、いい加減助けろよ、と。」

一番下の哀れな奴が口を開いた。
だから、状況を鑑みて返答する。

「踏んでもいいなら、ね。」

その返答に、全員が否を唱えた。
だろうね。
私は軽そうには見えないし。

「というか、銀髪の人がよけて、次が避けてってやれば赤い髪の人はたすかるんじゃないの?」

当たり前なことを提案してみる。
私が言うなり、全員があ、と極めて間の抜けた顔を晒してくれた。
これがイケメンじゃなきゃ、笑ってやるのに、くそ、イケメンは何やっても様になるからいけない。
なんて、考えていたのが良くなかったかもしれない。
まさか、銀髪が私の横に座るなんて想定外だった。
しかもわざわざ、梯子まで登ってだ。

「何で、横?」

問えば、長すぎる足を嫌味たらしく伸ばして答えてくれた。

「狭いからだ」
「じゃあ、出てけ」

間髪入れずに、返す。
私にとって既に愛着のある部屋だ、確かに広くはないけど、珍入者がいなければ充分な広さがあるのだ。
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