ピカソ

きっと僕には欠かせない芸術家の一人になるだろう。

熱烈な感情はなく、いつでもそばにいてくれるような、どこまでも続く穏やかな川のような、安心で繋がれている。


なんとなく
好みの時代や思想、タッチ、色彩が分かってきた。

そして作品を眺めるだけでなく、その画家達を知りたいと思うようになった。



今日、榊がいいよと言ってくれたから、朝方、家から歩いて中央図書館に行った。
そして初めて美術に関する書籍というものを手にした。

気分のまま数冊選んで、読書卓でそれぞれ流し読みをし、結果2冊借りることにした。

ひとつは主要な芸術家の半生と思想、美術史との関わりについてサラッと書かれた読み物、
もつひとつはピカソについてのもの。

美術書らしく大判だけれど、文章の書き方と内容、作品の選定、質量そしてそれらのバランスすべてがちょうど良いと思った。全編カラーだし(古い本なので、紙やインクのギラつきも抑えられててちょうどいい)。

彼がどのように絵と関わって歩んできたか、それを追って行くうちに、僕も絵が描きたくなって、少しスケッチをした。

単純な、思い込みかもしれないが、ペンに迷いが生まれなかった。
形をとることも、紙面に落とし込むことも、出来不出来は別として、いつもより格段スムーズに行えた。

上手くなった気分だ。