榊のためにむくリンゴ

ここ数年は12月になると知り合いの人からリンゴを頂いている。
だからか分からないけど、さっきスーパーでリンゴをみたら無性に食べたくなった。

榊も
「何か果物食べたい」
と珍しいことを言ってたから、買って帰ることにした。



テレビを見ながらリンゴをむいてあげた。
我ながらまぁまぁうまく素早くむけたと思う。

「できたよ」と、半実むいたところで声をかけたら

「ありがとう」
「いただきます」

ドキドキした。

何かを料ったわけじゃない。
榊のためにむいたリンゴ。

いつもゴハンを作ってくれる榊に、リンゴをむいて、供した。

それに向けられた言葉が僕の胸にじんと染みた。