カエる、道

レールを外れようとして
思いの外距離があることを知って

心が折れてきた。



慣れない道、
慣れない風景。臭い、人種、セカイ。

僕はとんでもなく身分不相応な真反対の世界、恐ろしく向かおうとしてたんだ。



ごめんなさい。



戻りたい。

いつもの場所に。



あとちょっと頑張れば、この浮ついた彷徨いのゴールにたどり着けたけれど



もう、戻りたい。



目をつぶっててもすべて分かってしまう
あの場所に。

戻りたい。



なにも得ずに戻る、なんて
「結局無駄骨折りでばからしい」
でも、それでいいと思うから。

戻りたい。



目をつぶってても分かってしまうから
物足りなかっただけなのかもしれない。



いつもある
必ずある
変わらずある

僕を僕として
待っててくれるもの。
受け止めてくれるもの。


地味で変化がなくて
ふとすれば
見落としがちで
忘れがちだけど

輝くものより
ときめくものより
偉大で、難く、大切なもの。



この頃の僕は
それをネガティヴに感じ、思ってた。だと思う。


それを
僕に都合のいいように
否定したくて
上塗りしたくて
誤魔化したくて
正当化したくて
ないもの、反対のもの、らしくないものを
求めていたんだと思う。



遠回りした。
ずるいことした。
悪いことした。

行きは不安混じりながらヨイヨイでも
帰りはこわくて仕方がなかった。

戻るだけなのに。
「いつも」に戻るだけなのに。



でも、わかったよ。

僕自身のこと。

恥ずかしくなった。
申し訳なくなった。



でも僕だけじゃないんだろうね、きっと。

同じようにゆれ惑い、
それ自体にも戸惑い
さまよってる人もいてるよね。

願わくば
その人にとっての答えが
見つからんことを。


(戸惑い彷徨ってるさなかが
きっと一番ツライから)





満たされてはいけない。
満ちたりる心を持たねば。

さすればきっと、惑わされない。

僕、嘘つき

ココロ、ここにあらず。

僕らしくなく。



浮ついてる。



なにが足りない?
なにがなくなった?
なにに飢えてる?

みたされたい?

どうして?
どうやって?



なんで
物足りないと思っているんだろう。


僕は、榊や僕自身にも
嘘をついているの?

満ち足りた、ふり、とか。



足は迷わず
心は迷いながら
慣れない帰り道を歩く。

歓楽街のキツイにおいにクラクラする。

どうしちゃったんだ僕。
なにしてんだ僕。
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