いつもと変わらない朝。
開かないシャッター、いない人影。毎日当たり前にあったその風景は二度と再現されないことを知る。お盆だからじゃない。

知ったのは土曜で、いつでもどこでもその知らせが貼り付いていて、見慣れない人影が出入りしたりして、人違いではないんだなと思う。

もう二度と受け止めてもらえない、いってきますを口に出してみる。手応えがなく、陽射しの粒に吸い込まれて霧散されていく。むなしさが胸を埋め尽くしていく。
実感が否定の余地を奪う。自らの手詰まりで、自ら追い詰まった心の突き当たりで、ぽっかりとなる。穴があくなんてもんじゃない。穴そのものだ。


寝てればいいのに、

いつもの声が聞こえる。
耳が欲してる。


いつのまにか変わった

頑張ってきてください

は、あの人なりの察知だったんだろうな。でもらしくない。嬉しくなかった。突き放されたようで。


寝てればいいのに、があの人らしくていい。
耳が欲してる。僕はそれを欲してる。

sicks

まさかと思っていた、君のいつまでたっても消えない夢の輪郭線に、たわむれるようにして人差し指をのせ走らせてみれば。思いもよらない構図が生まれ色彩がおどるから。鳴り止まない音楽とまらない思考の渦。

動き出したらとまらない。そうかもしれない。すべてを捨てて忘れて、その目の前の海に飛び込んでしまうかもしれない。愚かさの最たるものだとしても。

無理じゃない不可能じゃない頂きがあることを察知してしまったらこの身を差し出さずにはいられない。君を押し上げて、のぞむ高みに届けたい。それだけが僕の甲斐。

慌ててはいけない、わかってる。けれどとめようもない昂り。それ以外のすべてを見失っているのもわかっているけれども。手の中にないものを欲してしまう性。

その先に何があろうとも。
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