2016-1-29 22:58
pieces
棺の中は、
みんなの、祖母への想い、願い、記憶でいっぱいだった。
好きだったもの
印象的なもの
手紙、たからもの
パズルのピースを組み合わせるように。
さいごは祖母の顔が隠れてしまいそうなほど、ぎっしりと生花をつめた。
それはまるでレリーフのようだった。
パズルのようだったのは
棺の中だけではなかった。
誰かの一言から
きょうだい達のもつ
記憶を繋ぎ合わせることがあった。
姉曰く。妹、弟曰く。
断片を繋いで繋いで
全てがつまびらかになって初めて
「え、それって、もしかして…」
と、わかったことがあった。
胸が締めあげられるような切なさがこみ上げたけれど
誰もがじっと静かに堪えていたから、僕も、静かに受け止めるにとどめた。
おばあちゃん、僕は、そんなおばあちゃんの孫であることを、より誇らしく思います。
僕も、同じくありたい。