塵 月 抄

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水に溶かす解熱剤、熔けるもの解けないもの。

風が吹けば




飛んでゆきそうな




雨が降れば




錆び付いてしまいそうな




陽が照れば




腐敗してしまいそうな





































脆弱だと一言




冷たい言葉を塗り付ける



































紫陽花の美しさ




それに視線を移したばかりに、と




ただ心を




奪われるだけなら




まだ取り返しがついたのだ





































一枚ずつ剥がれいく




ふとした時に




他人の心の




鋭い棘先に引っ掻けて



































指先にできる




"ささくれ゜とは




違うもの




一瞬の痛みも感じることが無い




厄介なものだ




































それが気付かぬうちに




馴染んでしまって




丁度良い塩梅になってしまう















































他人の火に燃やされて








火傷を負うことに








私憤するのではなく








狼狽えてしまうこと








それこそが過ちだ





















この躯が








灼けるべきものは








他にある


















誰か紫陽花の花を








煎じておくれ









焦げ付いてしまえば








人と見分けがつかなくなるから