映画づく?

同性愛を取り扱ったフランス文学や映画を調べていたら、詩人ランボー(とヴェルレーヌ)のエピソードが一番にヒットした。

『地獄の季節』を手にした中学時代は、まさか同性愛者とは知らなかった(結局詩集もちゃんと読まなかったし)。なんという偶然。

書簡が収録された全集も気になるが、映画を見つけた。機会があれば借りて観ようと思い、家に帰ってから、榊とそんな話をした。

「ん?」「あるんじゃないか?」
え、どゆこと?
「その話知ってる、て途中から思ってたんだけど、それたぶんビデオあるよ。○○○でしょ?」と、タイトルを言いながら隣の部屋(納戸)を指差す。

はたして、ビデオテープはすんなり出てきた。何度か眺めたことのあるケースの真ん中に鎮座していた。
「うそ…」気づかなかった。覚えてなかった。

求めていたものがある。しかも、榊が、持っている。
偶然への、驚きと喜び。

榊を見やれば
「誰だと思ってんの? 榊ですよ。やっぱこの人合う〜と思ってんでしょ?」と得意げにしていた。

……はい。合います。



エマの言うとおり、
この世に偶然なんてないのかもしれない。