帰り道

推し友との飲み会というのに頻繁に参加していた榊。

それも、前にも書いたかもしれないけれど
だいたいが夕方から始まり、終電間際までいたりする。

最初の一回は、僕、拗ねて迎えに行かなかった。
仕事じゃないし。

前に榊に
個人で引き受けた案件絡みの挨拶飲み会で、なかなか帰らせてもらえなかった時、
心配しすぎたせいではあるけれど
拗ねられたから。

じゃぁ、自分だって切り上げてくださいよ、という気持ちだった。
ましてやプライベートでしょ?気兼ねなんてないじゃん、と。



でも結局は惚れた弱みというか
帰ってこなければ心配だし、夜道1人で歩かせるのも可哀想だし。
終電までには帰ってくる=それまでゴロゴロしたりウトウトしたりしてれば、あっという間。
第一心配で早々眠れないのだから、もういいや、と。


それでここ最近は迎えに行っている。


それを感謝してくれた。
「お迎えって嬉しいね、」と言ってくれた。

そうですよ。
昔ほどじゃないけど、あなたも僕の仕事帰り、いまだに迎えに来てくれるじゃない。

有難いし、嬉しいんです。
帰り道に花が咲く。


それで許すよ。
僕は榊に甘いから。

ごめん、そしてありがとう

朝起きられなかった、ごめん

お弁当つくってやれなかった、ごめん
明日は?なにがいい?

久々に榊から聞いたフレーズ。



榊が推し活に傾いてからは
お弁当は自分で作っていた。
榊が作ってくれないから。
なんなら、言ってしまえば、夕飯も手抜きだった。


料理が楽しみであり
節約もしたいから、とお弁当作りも、
榊がやってくれていた。
それが年、10何年単位で、習慣というか甘えになっていたのも事実。


朝起きてくれない
朝のゴミ集めや洗濯、家の細々としたことも盛大にサボるようになって
最初は戸惑いと苛立ちしかなかった。

しかし、僕だってそもそも立派にやれていなかったわけで。
それはぐずってるだけだと反省して。


甘えず、期待せず、自分でやろうと決めた。

夕飯も、時間的に帰ってから作るのは難しいから、
せめて献立を考えようとか、それもただ食べたいものを我儘放題に言うのではなく、なるべくは榊の負担にならないものとか、自分で作れそうなものを(自分で作ってると仮定)頼んだ。



幸い季節に恵まれているので
朝も起きられるし
起きた後の体調も安定している。
お弁当作りは、半分くらいは出先で少し買い足してしまっているけれど
なかなか続いている方だと思う。


今日は、帰るよの電話をしたら、
夕飯も作ってくれているという話だ。

最近作ってあげられてなかったからさ、と少し申し訳なさそうな声音。

嬉しいような、申し訳ないような。
自分が恥ずかしいような、嬉しさで気恥ずかしいような。

これが、有難い、ってことなのかな。



榊、少しずつ推し活から卒業しはじてめている
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