2023-6-15 12:50
眺めていられるだけで
幸せ
榊につられてSNSを活用してみたけれど、疲れるばかりだった。
楽しいこともあれば
退屈だったり、不快だったり
疲弊することもあったり。
長い付き合い/付き合い方にはならなさそうだ。
榊はその点まだ巧かった。
最初こそ力んで、仮想空間での自分像を打ち立て、その通りに振る舞ってきて、
誤解されたり
自分自身も疲れたりして
そこはもう「閉じ」た。けれど
等身大+αくらいで通すことにして
やたらと絡まない(関わらない)ことにしたらしい。
その切り替えのさなか、僕は、ひとり宙ぶらりんでSNSにいた。
とはいえ
榊の移行期間でもあったので、余計なことはしまいと、僕も沈黙を貫いていたけれど。
一挙手一投足に緊張する。
楽しいはずなのに、1人だと、少し重荷。
それは僕が、僕ではなくて、榊のパートナーとして扱われてるからかもしれないと思ったし、
同時に、
だからこそ僕自身もいやすかったのかなと思ったりした。
僕はそんなに友達はいらない。
思い思いにつぶやく知り合いを、眺めて、いいねして、たまにその逆になって、してもらって。
何かあったら薄れて切れてもいい。その瞬間は寂しくなるけれど悲しくはないくらいの別れ方で。
それで十分な性質なのかもしれないと気づいた。
表に立つには重すぎる。
だから、榊が動いて、僕はそれを眺めているだけで満足なんじゃないかなって思った。
パレートで言う2割の側で。
ーおまえ、こんなのにもいいねしたの?
え、だって…ナントカさんだったから、お仕事頑張ってるね、って意味で
ーかー(お人好し、生真面目すぎ!)
そうか。共感まで達さないものなら、しなくてもいいんだ
その言葉を受けた翌朝は
気圧で体や頭は気だるかったけれど、心は静かで穏やかだった。
流れてくるものも
いい意味でいつもより少し遠く見えた。
流れの速さがわからない、川ただそれだけの情景のように、それらはなりかわって。
僕は左右されなくなった
気がした。