ミシェルさん高3。高2の時に、先輩が引退してから部長に推されるくらい上達したしレギュラー入りも果たした。
3年生最後の大会、決勝戦まで行くけど負けちゃう。
泣かずに頑張って笑顔でみんなのこと励ますけど、帰りにレーヴェさんち寄る。
「今日大会じゃなかったか?」
「うんー、負けちゃった…」
「そうか…お疲れ様。頑張ったな」頭ぽんぽん
「…っ」
「ミシェル…こういうの、苦手なんだけどな…」
そう言いながらも、今にも泣きそうなミシェルのこと抱きしめる。
ミシェルさん号泣。
「…絶対泣かないって決めてたのに…ごめんね」
「我慢することなんてない」
「えへへ…ありがとね。…!私めっちゃ汗臭い!シャワー借りてもいい?」
「ああ。服とタオル出しておく」
「ありがとー」
しかし高1から高3まで一緒にいるけど本当に背ぇ伸びたなぁと思う。
前は見下ろしてたくらいなのに。
今でも見下ろしてはいるけど。
お風呂上がりに駄弁る二人。
「はーぁ。勝ったらお兄ちゃんにどっか連れてってもらおうと思ったのになぁ」
「たとえば?」
「温泉」
「ふ…年寄りか」
「日頃の疲れをさ〜」
「いいよ。卒業旅行でも行くか」
さすがに妹であっても在学中は面倒くさそうだから。
「ほんとに!?やったー!」
「どこでもいいのか?」
「うん!」
「じゃあ考えておく」
「ほんとね!絶対だよ!」
「ああ」
そんなわけで卒業旅行決定です。
エルモ温泉かな。
ミシェルさんが無事卒業も進学も決まって引きこもりの生活を送っているとレーヴェさんから連絡が来る。
日時と、二泊三日って。
二泊三日って。
「え」ってなるミシェルさん。
既読つけちゃったし、いつも既読後すぐに返信するから今返信しないと怪しまれると思ってとりあえず、ありがと!って返してうおおおおおってなる。
何?泊まり?お泊まり?
って思ったけどお泊まりなんて初めての事じゃないしこないだなんて抱きしめられたまま寝ちゃったくらいだしなんでこんなに動揺してるんだろうと思う。
ってゆーか今までなんで気にならなかったんだろう的な。
せやせや、自分だってさらっと温泉連れてってほしいとか言ったわけだし、レーヴェだってさらっと旅行って言ってるだけだ。
別に他意なんてないんだ。って思うことにする。
「ミシェルちゃん今日落ち着きないね」
「えっそ、そうかな?」
「好きな人でも出来たの?」
「ええっ!?」
「え」
「…」
「…図星?」
「そっ、そんなんじゃないって…」
「やだぁ、私ミシェルちゃんとそういう話したかった」
「だから違うってば!」
「ふふふ。今度ちゃんと聞かせてね」
「だから!」
で、旅行数日前。
「あ、週末泊まりで出掛けてくるからごはんいらない」
「卒業旅行でも行くのか?」
「うん」
「誰と?」
「え…」
まずい。変な間が。
「…男の子?」
「えっ!そうなのかミシェル!」
「ちがっ…違わないけど…」
「えぇっ!?」
「ふふ。私の知ってる人?」
「え…う、うん。ってゆーか、お兄ちゃん」
「「え」」
「…それじゃあおやすみ///」
「ちょ、ちょっと待って!」
「もーなんも言うこと無いってば」
血も法律も問題無いけど、わたわたするミシェパパとルチアさん。
仲良しだとは思ってたけど、いつの間に〜って感じ。
旅行当日、レーヴェさんがミシェルの家まで車で迎えに来てくれる。
金曜日の夕方ね。
忘れ物に気付いたミシェルが家に戻ってる間にレーヴェと話すルチアさん。
「ね、ねぇ、ミシェルちゃんと付き合ってるの?」
「付き合ってないよ」
「えー!?」
「うるさい」
「えっえっじゃあただの家族愛的な感じなの?」
「さぁ…」
「さぁって!」
「おまたせー」
「よし、行くか」
「ちょ、ちょっと!」
「どうしたの?」
「う、ううん、なんでも…気をつけてね」
「うん。行ってきまーす」
さらっと家を出てきたけど、すごい緊張してるミシェルさん。
「…ミシェル」
「は、はい!」
「…学校じゃないんだから…具合悪いのか?」
「え、ううん。元気だよ?」
「そうか…なんか静かだから、嫌だったのかと」
「楽しみだったよ!」
レーヴェさんも、まさか泊まりオッケーもらえると思ってなかったり。
えっ泊まり?って聞いてくれたら、冗談だよって返すつもりだったんだけど。
そんなだからお互い、他意は無いんだろうなって思ってる。
「ならよかった」
「お兄ちゃんも実はイヤイヤだったりしない?」
「そんなんだったら泊まりでなんか…」
…なんか変な言い方だったかな。
「えへへ、ありがとね。旅館に着いたらずっと温泉?」
「それもいいけど…近くにアウトレットモールがあるらしいから、行かないか?服欲しくて」
「行くー!バイト代貯めておいてよかったー!」
「部活引退してからずっとバイトしてたな。何か欲しいものでもあったのか?」
「え…まぁ、人生経験?」
「ふぅん…」
ほんとはレーヴェへのお礼を買うためのバイト。
パパママにもだけど。
今まで育ててくれてありがとう的な。
まだ大学行くけどね。
それとなくレーヴェの部屋詮索して(漁ったりはしてないよ)好きそうなものとか調べた。
シルバーアクセとか好きそう。
実際アクセサリーどうなんだろうなぁ。ネックレスみたいなやつはしてるけどね。あれなに?
旅館に到着する。
レーヴェさん、別に付き合ってるわけでもないからあえて普通のお部屋取ったんだけど、ちょうど高いお部屋のキャンセルが出たからお値段据え置きでそちら案内しましょうかって言われるのでお言葉に甘えることに。
「ラッキーだね」
「ああ」
「こちらです」
「あ、はい」
「すぐにお食事お持ちしましょうか?」
「じゃあ、お願いするか」
「うん!おなかすいたー」
「では暫くお待ちくださいね」
部屋に入ってみるとすごい広い。
ダブルベッドが二つ並んでる。
しかも露天風呂付き。
「お風呂ついてるすごーーーい!」
「あんまりはしゃぐなよ…」
「はーい」
「飯食ったら温泉入りに行こうか」
「うん!」
食事が運ばれてくる。
「あの、露天風呂って入ってもいいんですか?」
「もちろんでございます」
「わーい!」
「ミシェル…」
「ふふ。ごゆっくりどうぞ」
とりあえず今日は、というか普通に恥ずかしいので旅館の温泉入ることに。
レーヴェさんのほうが早く出ちゃって、お土産やさん覗いてるとナンパされる。
ミシェルさん、その姿みてちょっとやきもち。
「あ、連れが来たので…」
「…」
「出てきたなら助けてくれよ」
「…だって、お兄ちゃん、デレデレしてたから…」
「デレデレなんてしてないだろ」
「してたー」
「…ミシェル、浴衣似合うな」
「誤魔化してるの?」
「可愛いよ」
「っ!もーー!///」
「ふ…」頭なでなで
「…お兄ちゃんも似合ってるよ///」
「それはどうも」
二日目は午前中に温泉浸かってショッピングモールへ。
ミシェルさん、自分で買うつもりでいたんだけど全部レーヴェさんが出してくれる。
もちろん断るけど。でもお金出される。
アウトレットっていってもそこそこするよね。
「い、いいのに…」
「卒業祝いだ」
「温泉だけで充分だよーーー!」
「世話になってるからな」
「えー?私のほうがお世話になってると思うけど…」
「じゃあ初任給楽しみにしてる」
「えー」
「えーって…」
「ま、いいけどさー」
帰ってからダラダラして、せっかくだから露天風呂入ろうって話に。
一緒に。
「「…///」」
「…明日もう帰るんだね」
「そうだな…」
「あーんもっといたいなー」
「…また来ようか」
「!…う、うん///」
「…」
こてん
レーヴェがもたれかかってくる。
「おっお兄ちゃん!?////」
「うぅ…」
「ちょ、のぼせちゃったの!?」
「そうかも…」
「っっ!と、とりあえず上がれる?せめてこっち座ろ?…ひっくり返らないでね」
「ん…」
なんとか縁に座らせて、落ち着いてから部屋に戻ることに。
わりと焦るミシェルさんであった。
タオル一枚だしね。
ベッドに横たわってるレーヴェさんのことを扇いであげる。
「すまん…」
「気にしないで。大丈夫?」
「…膝がいい」
「えぇ!?い、いいけど…////」
「んぅ…」
「ふふ…男の人って膝枕好きなの?」
「うんー…」
「ご飯の時間までね」なでなで
「…」ごろごろ
猫かよー!かわいいぜこのやろー!
暫くしてレーヴェさん完全復活する。
ご飯も食べ終わって、ミシェルさんプレゼントの準備する。
「お兄ちゃん」
「ん?」
「これ…///」
「何?」
「今日のお礼」
「え…いいのに、そんなの」
「もー!もらってよー!買ったんだからー!」
「あ、あぁ…ありがとう。開けていいか?」
「う、うん。気に入ってもらえるといいんだけど…」
なんとか綺麗に開けるレーヴェさん。
几帳面そうだしね。
出てきたのはネックレス。
普通にこれだ!と思って買ったけど、買った後にネックレスとか重くない!?とか思う。
買っちゃったもんはしょうがないかと思うけど。
「これ…」
「ってゆーかもう持ってたらごめん!」
「いや…最近買ってなかったから…」
「…」そわそわ
「嬉しいよ。ありがとう」
「う、うん!よかった…」
すぐにつけてくれる。
「どうかな?」
「うん。強そう」
「それっていいのか?」
「えへへ。やっぱり似合ってる」
「そうか。…実は俺もあるんだ」
「え?」
カバンごそごそするレーヴェさん。
「はい」
「ええっ?わたしに?」
「他に誰がいるんだ…これに比べたら、全然見合わないものだけど」
「いや、温泉も、服まで買ってもらっちゃったし…あけていい?」
「ああ」
開けるとオシャレな定期ケースが出てくる。
「かわいい!定期ケース買おうと思ってたんだー!ありがとう!」
「今日買われないかヒヤヒヤしたよ」
「ふふ。ありがとう。一生大事にするね」
「…大袈裟だな」
「ううん。本当に嬉しい。ありがとう…」
「お前、本当すぐ泣くよな…」
「だ、だって…!」
ミシェルのこと抱きしめるレーヴェさん。
「お、おにいちゃん…///」
「…」
「も、もう泣いてないよ!」
「…そうか」
名残惜しそうに離れるレーヴェさん。
ミシェルのことなでなでする。
「///…お、お兄ちゃん、酔ってるんじゃない?」
「…酔ってたら、何しても許してくれるのか?」
「え?」
「ミシェル、好きだよ」
「わ、私もお兄ちゃんのこと好き」
「…それは、どういう好き?」
「え…ん!」
ちゅーされるミシェルさん。
「…こういう好きじゃないなら、もう会うのはやめる」
「そ、そんなの脅迫だよ…」
「…」
「わ、私の好きも、お兄ちゃんとおんなじ…好き、だから…脅迫にはならないけど////」
「無理してないか?」
「してないよ…えっと…」
「?」
「その、ちゃんとキスしてほしい…////」
「あぁ、喜んで」
「////」
ちゅ
ミシェルが初々しくて可愛すぎる〜〜ってなるレーヴェさん。
ちょっとこれ以上はやばいなって思って、離れる。
「どうしたの?」
「これ以上は…調子に乗りそうだ」
「!…別に、嫌じゃないから…お兄ちゃんがしたいこと、していいよ…///」
ぶち
「あっ!でも、避妊はしてほしい…デス」
「…ふ」
「!////」
顔を両手で覆うミシェルさん。
「いや、悪い。ありがとう。大丈夫だから」
「で、でも!」
「…ミシェル、震えてる。無理しなくていい」
「こ、これは…嫌とかじゃないの…本当に…」
「わかってるよ。一緒にいてくれるだけでいいから」
「…」
「ミシェル、それじゃあ、付き合うって事でいいのかな」
「あ、そっか。そうだと、嬉しいかも…」
「よろしくな」
「こ、こちらこそ」
というわけでお付き合い開始です。