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放射性物質は誰のもの?

これは、私がよく見ているブログで知った案件です。
ちょっと信じられなかった話なので調べてみました。

二本松にゴルフ場があります。
原発からの直線距離は約60km。
警戒区域でも避難準備区域でもありません。
しかし、環境放射能の数値は全体で毎時2〜3マイクロシーベルトあります。
当然営業できず荒れ果てたこのゴルフ場は十数名いた職員を1名を除き解雇。
東電に除染と損害に対する費用を求める訴えを裁判所に起こしました。
ところが東電側は
「原発から放出された放射性物質は無主物であり、東電に所有権は無い。土地に付着した放射性物質はその土地の所有権者に所有権があるので、東電は除染する必要がない」
と答えたのだそうです。
で、その判決が10月に出たらしいのですが、それは申し立ての却下でした。
その理由は
・ゴルフ場は日常的にいる場所ではないから毎時3.8マイクロシーベルトを超えないのなら営業できる。
・営業できるので除染を求める権利はあるが、その行使は認めがたい。
・同じく営業できるので損害賠償の支払い請求は認められない。国と東電による補償を待て
というもの。

ふざけるな!
ですよね。
お客さんは日常的にいる場所ではないかもしれないけど、危険な場所には来たくないでしょうし、そんな危険場所で営業しろということは法律違反でもあります。
さらには従業員さんはそれこそ日常的にそこにいるわけなのですから、彼らの安全を守る為にも社長さん達が除染を求めるのは当然だし、東電が除染を行うのもまた当然です。
言ってみれば前に例えたのと似た感じで、
ペンキ工場が故障、シンナー交じりのペンキがご近所中にまき散らかされた。
でも、ペンキ屋はその掃除をせず、工場を止めるのに一生懸命。
挙句に
「工場からこぼれたペンキはもううちのものじゃない。だから、掃除する必要は無い」
と言っているようなものですから。

はっきり言って東電が福島県において「除染」を行った事例はありません。
除染は全て各自治体や民間がやっていることです。
国や東電が「いつかやる」のを待っていたらいつになるかわからない。
それまでに福島はめちゃくちゃになってしまう。
だから、どこも必死になってやっているのです。

現在この案件は上告中。
裁判所も東電の「放射性物質は無主物」の主張を認めたわけではないのはせめてもの救いですが、東電には絶対に裁判に負けて思い知って貰わないといけないと心から思います。

放射性物質は東電のもの。
それが当たり前の事なのですから。
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