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「考えない」罪

本当は昨日書こうと思ったのですが、昨日は特別な日であったので今日に。
昨日の福島民友の一面は阪神淡路大震災の日のことではなく、ある事件を報じています。
先日、二本松の新築マンションの1階の建物内で外よりも高い放射能数値か観測されました。
調査の結果、マンション建設に使用した生コンクリートに避難区域で保管されていた砕石が使用されていたのが原因だったそうです。
汚染牛と呼ばれた稲わらの件と同じ過ちをまた、と周囲の人も話題にしています。

事件の発覚は子供達の放射能測定から。
二本松の数名の子から一年間の許容量と言われる1マイクロシーメルトを超える被ばくが測定されたことから、調査が行われ、その新築マンションの1階が異常な数値を出していると解ったのだそうです。
原因は基礎部分に使用された浪江町から出荷された砕石。
計画的避難区域にの屋根はあったけれども、野外で保管されていたもので、危険性を考えずに出荷していたとのことでした。
業者の人は
「当時は放射能の正確な知識や情報を把握していなかった」
「建築資材の基準を国が示してくれない」
「避難区域に早く指定してくれれば出荷しなかった」
と、言いますが、どんな事情があったとしても、国が基準を出さなかったとしてもこれは、絶対の罪です。
「考える」事をしなかった罪。
それが、今また福島に重い十字架を背負わせようとしています。
危険だと、危険だと、今以上に放射能は危険だと叫ばれていたあの時期に、なぜ危ないかもしれない石を出荷したのか。
牛が飢えて死ぬのを見ていられなかった、という汚染牛の件よりも今回はさらに罪が重いです。
生活がかかっていたとか、そういう理由は勿論あるでしょうが、それでも今ならインターネットでちょっと調べれば情報はいやがおうにも集まってきます。
情報を把握していなかった、ではなく、把握しようとしなかった、が正解。
前代未聞の事件において自分で考えるという大事なことを怠ったことが今回の事態を招いたのだと思います。

この件で、また福島の評判は下がるでしょう。
汚染品を出荷したと蔑まれることになるでしょう。
しかもこのコンクリート、どこに使われたのか現在調査中ですが、道路工事に使われたという話もあり、一部の人はそれ見たことかと言わんばかりにまた福島を汚染地域と見下すようになります。
それは、福島で一生懸命生きている人達にとってとても悲しいことだと思います。

一度落ちた信用を取り戻すのはすごく難しいです。
検査体制を厳重にして、数値をちゃんと公開する。

これからまた新たな戦いの日々が始まるのでしょう。
「安心」「安全」を取り戻す為の日々が。
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