陳腐な青春ドラマの1シーンみたいな状況に、何故だか置かれている自分がいる。
しかも、結構重要な役回りをする……例えるなら主人公の親友、て感じ。
『僕が死んだって、誰も本気で悲しまないから……』
そして、いかにもソレっぽい台詞を吐いて、屋上のフェンスの外側――一歩、足を踏み出せば地面に真っ逆さまな場所にいるのがきっと、このドラマの主人公。学園のアイドルと詠われる彼はそれだけにかなり可愛い顔をしてたりする、実は俺の幼馴染みだったり。最近はあまり喋ってないから親しくは、ないんだけど。
『そんなことないよッ皆、悲しむよ!』
そんな悲劇の主人公に、これもまた在り来たりな言葉を掛けるのは脇役……その他大勢、ってトコだろうか。
――しかしこの流れから言って、俺は、こう、言うべきだろう。
『お前が死んだら、俺が、悲しむ……俺の為に、生きてよ』
……て、アレ? ちょっと、何やら違うニュアンスが含まれちまったような……。もしかして俺、しくった? 周りの視線が痛いんですけど。
『――…ッ』
あ、でも何か……。
『……わか……った……ッ』
主人公クン、泣きだして……て、アレで説得されちゃったの? 何、本気で俺の為に生きるつもりですか。
フェンスを自力で乗り越えた彼は、迷う事無く俺の胸に飛び込んだ。
さらには、いつのまにか周囲からは盛大な拍手が沸き起こっていた。
そして、この日を境に俺と彼の関係は一変したのだった――。
突発的なSS……。
いずれ蒼空サイトにアップしたいなぁ。
自殺未遂アイドルと異常な程平凡な幼馴染みの話。
続きは気が向いたら。