『りっくんオハヨ』
『……ウゼェ』

 寝起きの為に擦れた声で暴言を吐く少年の朝は、物心付いた頃から変わらず、父親のキスから始まる。
 補足すれば、その後父親が殴られる(もしくは蹴られる)ようになったのは少年がまだ小学生のとき……今からもう5年も前になる。



 少年は現役高校生。作家である父親が男手ひとつで育ててきた。所謂シングルファーザーの家庭だ。幼い頃はよく父親に懐いていた彼だが、今は『反抗期』真っ只中。

『ね、りっくん、卵焼きオイシイ? お味噌汁は熱くない?』
『……』
『今日のお弁当はりっくんが好きなハンバーグ入れたからね』
『……』

 少年の徹底的な無視に、懸命に明るく努めていた父親も眉根を下げる。

『ねぇりっくん……何でパパを無視するの? 昔はあんなに可愛くて僕の言うこと何でも信じてくれて……』
『そ・れ・が、原因だ馬鹿親父っ!! あることないこと吹き込みやがって!!! 前だってテメェが『感謝したらほっぺにキス』だとか言うからダチに……っ』
『したのっ?!』 怒鳴り散らした少年は怒り以外でその頬に朱を走らせる。それを見て父親はショックを受けたような顔をする。

『あれは僕だけの特権だったのにーっ! 誰にしたのさ?! やすクン? トモくんっ? それとも……グハッ』

 オロオロと焦り惑う父親に少年の拳が飛ぶ。

『死ねクソオヤジ!!』
『パパって呼んでって言ってるでしょう?! ってあぁ! りっくんお弁当ー!』

 吐き捨ててカバンを引っ掴むと学校へと走っていってしまう少年の背中に呼び掛ける父親。その声は届いているだろうに、少年は振り返ることはしなかった。





 反抗したくなるのも仕様がないと納得してしまう家庭風景ではあるが、良く言えば、少年の父親の家族愛に溢れた温かい家庭である、と言えるのでは……



『まったくーりっくんてば可愛いなー……たべちゃいたい』



 ――いや、言えないだろう。



 少年よ、気を付けなさい。真の敵は家庭内に存在するのだから。







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 やっぱダメだね、突発的なモンは。。。意味不明ですよ。つか昨日書いてないし。バイトで疲れてて寝ちゃったんです。