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season3 第2話(2)

数日後、鼎はいちかがいない事に気づいた。
「室長、いちかの姿が見当たらないんだが…」

「あいつならゼノクに行ったぞ。兄貴に会いたいって言っててね。それとなんか気になることもあったんじゃないのか?」


気になること…畝黒家とか?



一方、解析班は怪人生け捕り作戦に使う装備を改造中。なぜか御堂と霧人も駆り出されていた。

「俺達こき使われてんの、変じゃねぇか?霧人くんよ〜」
「解析班から頼まれたら断れないって。朝倉チーフはかなり本気みたいだよ」


御堂は網のような装備を見た。
「これであの機械生命体を取っ捕まえれんのか…?」


そこに朝倉が。

「それは保険よ保険。他にも怪人生け捕りにする装備は作っているからね。
作戦パターンはいくつか考えているわけよ」
「…朝倉、お前戦えたっけ?」

「弓矢くらいなら使えるわよ。
生け捕り作戦には神(じん)さんと波路(はじ)も参戦するからよろしくね。この2人も戦えるから。
…あ、そうそう。暁はあのブレードがあるから機械生命体が出た時は今回は出動すんなときつーく言っておいてね。
あのブレード、攻撃力めちゃめちゃ高いから倒しちゃうでしょ」


あ、なるほどな…。


「解析班の本気、見せてやるわよ」

朝倉がいつも以上にいきいきしている。サンプル採集となるとスイッチが入ってしまうようだ。ましてや怪人の生け捕りなので失敗は許されない。



ゼノクではいちかが久しぶりに兄の眞(まこと)と会っていた。

「兄貴、最近変わったことなかった?ゼノク」
「特に何もないけど。いちかが連絡なしにいきなり来たのはびっくりしたよ」


ゼノクは今のところ大丈夫らしい。ゼノク職員の眞は以前とは違い、仲間も出来たようだった。


「ななみーさん、治療終えてゼノク出たの?」

いちかはなんとなく気になっていることを聞いた。
彼女の言う「ななみー」とは、ゼノクに怪人由来の後遺症治療を受けている女性・紬原七美のことである。


「七美は治療を終えて1回ゼノクを出たんだけどさ…なかなか馴染めなくて出戻りしてきたよ。
前にも言っただろ。ゼノクにいた入居者…元患者はなかなか社会に馴染めなくてここに戻る人間が多いって。だから居住区も大きいし、周辺には施設が充実しているんだよ」
「ななみーさん、ゼノクスーツ姿のまま?」

「治療中ずっとあの姿だったから、今も人前ではゼノクスーツ姿だよ。彼女からしたらあの姿が落ち着くんだって」
「ななみーさん、今日はいないの?」


「ちょっと出かけてる。気分転換したくて近くを散歩してるよ」



畝黒コーポレーション・地下研究所。


イーディスはマキナの入ったカプセルを見ている。
「ねぇグレア。マキナ…これしか作っていないの?たった5体って。少なすぎない?」

「大量生産出来ないんだから仕方ないだろう?だがそのぶん、1体あたりの戦闘力は高い。
アップデート可能にしているからいつでもチューンアップ可能だ」
「ゼルフェノア潰しは短期間で決めようという、當麻様の魂胆に従ったわけなのね」

「そういうこと」



鼎は久しぶりにゼノク特殊請負人(怪人専門執行人)の憐鶴(れんかく)とリモート通話していた。


「憐鶴、久しぶりだな。執行人はどうなっている?」

「あれからさっぱりですよ。………気になる事案が出そうなので、既にマークしてるんですけどね」


気になる事案?


「畝黒(うねぐろ)コーポレーションもとい、その元締めの畝黒家がなんていうか…人間とは思えないんですよね。
今、赤羽と苗代を使って調査中ですが畝黒家は人間じゃない『何か』だと言われているのが引っ掛かります」

「こっちも数日前に畝黒家の人間とおぼしき少女を目撃した。消える瞬間も見たからな…。
憐鶴、何か進展があったら連絡よこせ。メールでもいいから」

「了解しました。執行人を舐められたら困りますからね〜。
怪人専門とは言ってますけど、異形には有効なんですよ?私の装備」


あの鉈、そんなにも有効活用出来たのか!?
だから「特殊請負人」なのか。怪人以外の異形も倒せます的な意味で。


鼎はさりげなく自らのネットワークを駆使している。
畝黒家の情報収集するために。



解析班の持ち場ではてんやわんやだがどこか楽しそうだった。まるで文化祭の準備のような雰囲気。

「あと少しで装置が完成するわよ、ファイトー!」


解析班、謎の盛り上がりを見せる。生け捕り装置や装備は解析班お手製。宇崎の研究資料も借りて作っているものも中にはあるが、工作みたいな雰囲気を醸し出している。


「文化祭かよ…」
御堂、朝倉達に振り回わさて疲れている模様。霧人は楽しそう。

「いいじゃん。なんか懐かしいね、この雰囲気」
「何ちゃっかり楽しんでんだよ…霧人はよ…」

「和希もたまにはリラックスしたら?なかなかないよ、この機会」


普段、御堂は隊長業務に追われているせいか新鮮だった。たまにはこういうのも悪くは…ないかな。


「皆、お疲れ様〜。はい、差し入れよ〜。整備班からだってさ。ジュースとおにぎり持ってけだってさ」
「整備班が差し入れって…めちゃめちゃ珍しいぞ」

御堂、思わず反応する。


「解析班と整備班は一時期ライバル意識メラメラで仲悪かったんだけどさ、去年のあの戦いでどうでもよくなっちゃって和解したのよね〜。
きっかけってわからないわね」
「裏方も大変なんだな…」

「裏方って言うなっ!」
「チーフ、落ち着いて食べましょうよ〜」

矢神がなだめる。


「縁の下がまとまらないと、組織もまとまらないからな…。
朝倉ってなんだかんだ長いんだっけ?」
「7年くらいここにいるわよ?解析班。最初の3ヶ月は全員同じ隊員研修受けたけど、私は解析班希望だったからね」


朝倉って意外と中堅隊員だった。…ってか、ほぼ俺と同期じゃねーか!
1、2年の誤差があるだけで。気づかなかった。



ゼノクでは七美が帰宅。東館で眞といちかの時任兄妹と合流。

「あれ?いちかちゃんだ」
「ななみーさん、久しぶりっす」
いちかは元気よく手を振ってる。


七美は見慣れた淡いピンク色のゼノクスーツ姿。
「ななみーさん、最近変わったことあった?」
「ゼノクを見学したいっていう、変な女の子が最近来たくらいかな。小学生くらいの子」


いちかはぞわっとした。


「そいつ…無表情でなんか不気味じゃなかった?」
「眞…あの子……人形みたいだったよね。ゼノクスーツ姿の私が言っても説得力ないけどさ。この姿じゃ動くマネキンだもの、私」

「そいつ…見学したの?」
いちかの問いに眞が答える。


「司令室で長官と西澤室長が見学者を監視していたおかげで、すぐに怪しいと判断して門前払いしていたよ。西澤室長が出てきて説明してた。
状況が不自然だったからな…。子供が見学するなら保護者同伴だろ?ゼルフェノアはそういうシステムだ。その不気味な女の子は話し方があまりにも機械的だったから室長は断ったとかで。噂じゃ子供らしからぬ無表情だったらしい」


「そいつ、要注意っすよ…。最近あたし達もそいつと遭遇したの。
『ゼルフェノアの人間か?』っていきなり聞いてきた。怖かった…」

「ゼルフェノアを狙っているわけ…ないよな…。そんな子が」



数日後。何事もないのがあまりにも不気味だった。

あんだけ苦戦した機械生命体がまた現れるのは確実だ。いつ来るのかさえわからない不安。


意気揚々としてるのは朝倉率いる解析班だけ。



司令室では鼎と梓が話をしている。


「あれから全然怪人出ていないのが引っ掛かるな〜」

「嫌なことを言うなよ、梓」


「ごめんごめん。鼎は繊細だもんな」


いつの間にか「鼎」と呼べるようになっていた梓。2人の中で少しずつ打ち解けたらしい。
でもプライベートでは梓は鼎のことを本名の「悠真」と呼ぶ。場所によりけりだが、人目が多い場所ではプライベートでも鼎呼びにしている。


「解析班主体で大丈夫なんだろうか…。怪人の生け捕りなんて前代未聞なんだが…」
「鼎、言い出しっぺに任せよ。朝倉チーフならやってくれるはず」

「…そうだな」


season3 第2話(1)

その日、いちかは休日だった。
いちかは鼎・梓・彩音と一緒に「珈琲 藤代」でさながら女子会みたいな感じで、デザートを食べながらわいわい話してる。

この頃になると用心棒の梓は、ゼルフェノアの雰囲気に慣れていた。


「ねぇねぇ琴浦さん、琴浦さんはゼルフェノアにもう慣れた?」
いちかはいちごパフェを食べながら無邪気に梓に聞いている。


「ん〜?まぁ慣れてはきたかな。あたしは鼎の用心棒で来てんだよ。鼎がお前に誘われたっていうからついてきただけだ」

相変わらずちょっと怖い眼鏡のお姉さんという感じの梓。言い方もちょっと怖いせいか、いちかは初めはびくびくしていた。
年齢も鼎と同い年なんだそうな。


鼎はケーキセットにしたらしく、モンブランを食べている。飲み物はコーヒー。


彩音はフルーツパフェを食べていた。梓はコーヒーゼリー。

彩音は和気あいあいと女子会みたいなことをするのが内心嬉しかった。ゼルフェノアに1人、用心棒という形で女性が増えるなんて。それも鼎の幼なじみで。


休日なので全員私服だったが、梓は三節棍を持ってきていた。ハンドガンも携帯。梓は鼎の隣に座っていた。警護のため。
いくら彼女が休日でも抜かりないのが、用心棒の役目だ。

いちかと彩音は鼎達とは向かい側の席に座っている。



そんな和気あいあいとした中に、入店してきた人達が。小学生くらいの少女と青年だ。
2人とも黒い服を着ている。黒地に赤が差し色なのが目を引いた。

少女はまるでお人形さんのようでかわいらしい。だがどこか怖い雰囲気を漂わせている。


少女と青年は畝黒(うねぐろ)家の者だった。明莉(あかり)は突如、いちか達をビシッと指差してこう言い放つ。

「お前達、ゼルフェノアの者か?」
抑揚のない、機械的な無機質な言い方。なにこの女の子…怖い。

「そ…そうだよ?あなた達は誰?」
明莉はいちかの質問を無視し空席にどかっと座るなり、こんなことを矩人(かねと)に聞いた。


「これはなんだ?」
「明莉様、お目が高い。これはテーブルにてございますよ。ここで食べ物を食べるのです」


4人にはこの2人が明らかに異質に見えた。あの明莉という少女、人間とは思えない無機質な話し方をしている上に無表情。

さすがのこの事態に藤代は2人を退店させようとする。
「お客様、他のお客様に迷惑です!今すぐ出てください」
「私は客だが?」冷たい声。


「店の備品を傷つけておいて客はないでしょ。今すぐ出て行ってください!」


明莉と矩人はわかっているのかいないのか、鼎達4人を再び見るなり…姿を消した。藤代は慌てる。

「消えた!?」


この一連の様子を見ていた鼎と梓はある推測をした。

2人は小声で話す。


「あいつら2人…人間じゃない雰囲気を出していたな。消えること自体、異質だろ」

「鼎もそう思うか。あの明莉とかいう女の子…歳相応じゃない。無機質すぎる…あいつ…人間じゃないのでは?」
「あの青年はかなり人間臭かったけどね」


「なんなのあいつら…」

いちかは機嫌を損ねたらしく、イライラしながらパフェを貪り食べてる。
変な女の子にいきなり指なんて差さされたら、そりゃあ嫌な思いはする。



畝黒家。明莉は當麻の元へ。

「パパ。ゼルフェノアの人達を見たよ。あいつらを壊せばいいんだね」
相変わらず無機質な話し方をする明莉。
「お前の役目はそれだ。矩人、お前も協力しろよ」
當麻はまだ感情があるため人間味はあるが、どこか…怖い。

「何なりと」
矩人は深々と礼をした。



畝黒家経由でイーディス達に通信が。


「明莉と矩人が動いた?じゃあ私達は鼎をじわじわいたぶりましょうか、當麻様」
「共にゼルフェノアを崩壊させるぞ。厄介なのは義手の長官・蔦沼だが」

「グレア、あのマキナを使うのよね」
「使いますよ〜?ゼルフェノア潰しなら手段は問いませんから。ふふふ…」


グレアは不適な笑みを浮かべている。



翌日・ゼルフェノア本部。


「変な女の子を見た?」
宇崎はまともに取り合わない。

「室長、あいつ絶対人間じゃないっすよ!見た目は小学生の女の子なんだけど…無機質で怖かったんだよ。それにその場から消えたのを見たっす」


宇崎は一応話を聞くことにした。


「そいつの名前は?」
「明莉とか言ってたような…」
「あかり?ちょっと待て…そいつに付き人らしき人、いなかったか?」

「いたっすよ」
「あくまでも推測だがそいつら…『畝黒家』の人間かもしれない」
「うねぐろけ?」

いちかは首をかしげた。司令室には鼎もいたので引っ掛かったらしい。梓もだ。


「室長、畝黒家とは一体何者なんだ?」
鼎が聞く。

「お前らは知らないかもしれないが、何やってるかわからない大企業・畝黒コーポレーションの核となっている一家だ」


畝黒コーポレーション!?


「名前だけは聞いたことがある。畝黒コーポレーション…」
「鼎、畝黒コーポレーションって確か…」
梓が言いかけたが宇崎が遮る。

「首都圏にはないぞ。その企業。場所を特定されにくいようにあえて首都圏外にしているくらいだが、実態は謎。
表向きはベンチャー企業だが、明らかに怪しいことをしてるという黒い噂が立たない…そんな謎に包まれた企業だ」


「めちゃめちゃ怪しいじゃないっすか。あの女の子がなんであたし達に接触しようとしたんだろ」
「…ゼルフェノアをどうにかしたくて遣わせたとかじゃないのか?いちか。
過去の例からするに、あの機械生命体と畝黒コーポレーションは関係あるように思えるんだが」

「鼎もその推測か。あたしも同じだよ。あの機械生命体の解明が急がれるところだな」


鼎と梓はどことなく似ているところがあるようで。幼い頃から一緒だったせいもあるのだろう。



解析班の持ち場。朝倉は突如、こんなことを言い出した。


「あの機械生命体を生け捕りにするわよ!!解明のためにっ!!」
「チーフ!それ無理ですって。頭おかしくなったの!?大丈夫!?」

矢神が止めに入る。


「今までの怪人とは性質が違うから生け捕りは行けると思うんだけど。コアさえ壊さなければ爆散しないのはわかった。
それに人が作ったんなら、解析班としては解明しなくてはっ!!敵を暴いてやるーっ!!」



司令室。


「朝倉、それ本気で言ってるのか?」
宇崎はきょとんとしている。


「今までの怪人とは性質が明らかに違うから、サンプル採集に生け捕り出来るのではと…」
「いくらなんでも無謀すぎだろ!」
「だから隊員達に協力を仰いで貰いたいのよ!敵を暴くためにもね!!」


「敵はなんとなく推測してるんだが…。わかったよ、御堂達に伝えておくよ」

「ありがとうございます!」


こうして前代未聞の怪人生け捕り作戦が実行されることになる。

解析班が隊員を巻き込むような形で。

season3 第1話(4)

鼎は司令室でしばらく商店街での戦闘をモニタリングしていたが、あることが気になりサブモニターで怪人のある部分を拡大してみた。それは胸の部分だった。

……?これは心臓部なのか?時々装甲から丸い核のようなものが見える。



一方、某商店街。御堂はその機械生命体と格闘に持ち込んでいた。肉弾戦で装甲の硬い敵と戦うなんて、どうかしてる。

梓はただただ見るしかなかった。
御堂…なんなんだ、この人…。どうかしてる。


晴斗はふとブレードのことを思い出した。今使わずにしていつ使うんだよ。
彼はしばらく使ってなかった対怪人用ブレード・恒暁(こうぎょう)を使うことに。


御堂は格闘しながらあることに気づく。この機械生命体は声は出すが話せないらしい。
胸のあたりに時々装甲から丸い物体が見えた。

…なんだこれ?


彼はその丸い物体目掛けてパンチをするも、効いてない。装甲が邪魔なんだ。厄介だなおい…。


御堂は隙を突かれ、勢いよく突き飛ばされてしまう。

あの御堂が怪人にあっさりと突き飛ばされてしまうなんて…相手はどんだけ強いんだ。


晴斗と梓はマキナにブレードと薙刀で食らいつく。



司令室に朝倉から通信が入った。

「今すぐ伝えて。機械生命体の弱点は『胸のあたりにある丸い物体、核(コア)』よ!
厄介な装甲に阻まれてるけど、暁のブレードと司令補佐のブレードを使えば確実に行ける!他の武器でも攻撃力が高ければ装甲は斬れるはずよ!」
「私もそれは感じていた」

「司令補佐も同じことを思っていたんですか」
「気になってたから画像を拡大させて見ていたよ」



この知らせは3人に伝えられる。

「晴斗!お前のブレードを使えっ!胸のコアをぶっ壊せ!!」
「コア?」
「たった今、通信が入っただろ!弱点は胸の丸いやつだ。装甲を破れる武器はかなり限られるみてーなんだよ。今いるメンバーなら晴斗のブレードが有効だ」

「あたしの薙刀も攻撃力高いけど」
「なんなら2人でそいつをぶっ倒せ。俺はちょっと…休むわ…」


御堂は疲弊していた。


梓は薙刀でいきなりマキナの足元を掬う攻撃を仕掛け→敵が怯んだ隙に晴斗が急接近・ブレードで何度か斬りかかり装甲をぶった切る。

晴斗は無我夢中で胸のコアを狙う。梓はアシスト。


「あと少し!」
「今やってるよっ!!」


晴斗は半ばイライラしながらもなんとか胸の装甲を取り払い、コアを剥き出しにした。
彼は一気にとどめを刺す。


コアにブレードを突き刺したのだ。ブレードを一気に引き抜き、2人は後にした。直後、マキナは爆散した。

なんとか謎の機械生命体を倒した3人。御堂はへとへと。
「なんとか倒したな、晴斗と琴浦」
「本部へ帰ろうよ」


3人は本部に帰還することに。



畝黒コーポレーション・地下研究所――


「あいつらなんとかマキナを倒したようね。ゼルフェノアにはあいつら以外にも隊員がいるから面倒ね〜。
マキナは一筋縄では倒せないようにしてるから、見ていて楽しかったわ」

イーディスはだるそう。Dr.グレアは次のマキナをカプセルから出そうとしていた。


「グレア〜、次のマキナちゃんはアップデートしたやつだよね?」
「そうですが。私の本領発揮はここからですよ。ゼルフェノア潰し…本当にやるんですか。イーディスは鼎を潰すんですよね」

「だから畝黒家と手を組んだじゃな〜い。まさか敵が大企業だなんてあちらからしたら予想外でしょう?
…ま、私達はそれを隠れ蓑にして動いてるんだし〜?畝黒家もゼルフェノア潰しに加担するって聞いたわよ」


あの畝黒家がゼルフェノア潰しに加担!?
当主直々に加担するわけではなさそうだが…。畝黒家はどいつもこいつも癖が強い。そいつらを利用するのか?當麻様は。


「グレア。紀柳院鼎に関して、私が直々に潰しにかかるから邪魔しないでよね。これは畝黒家にも伝えているのよ。
復讐代行時代の鼎…なかなか凄かったのに。なんであいつは辞めたんだか」


そんなイーディスは現在も復讐代行業を続行している。人を不幸にするのが、見るのが好きなのがイーディスだ。


「復讐代行時代の鼎、あの仮面姿だからターゲットには効果的だったのよね。今や怪人倒す組織の司令補佐って…ふざけてんのか」
「ゼルフェノアで何か心境の変化があったんじゃないんですかね」


「グレア、ゼルフェノアのトップって本部じゃないわよね」
「『ゼノク』にいるという情報ですよ。ゼルフェノアトップの名前は蔦沼栄治。
通称『義手の長官』です」

「義手の長官か〜。面白そう♪
どうする?次の襲撃計画。いきなり本部を攻めるか畝黒家の力を借りてやるか」

「義手の長官は強いと聞きますよ。ここは畝黒家の力を借りつつ、司令補佐を潰しにかかればいいのではと…」


「…そうね。参考にしておくわ」



畝黒家。當麻はある人物を送り込んでいた。
イーディスと當麻はリモート中。


「イーディス、君の計画を聞いたよ。うちから可愛い娘と付き人を送っておいたから、ゼルフェノア潰しに加担させてくれ」
「娘!?あのかわいらしいお嬢さんを…いいんですか!?」

當麻はニヤァと笑った。


「明莉(あかり)は見た目は小学生だが、彼女は人間じゃないんだ。ま、僕も人間じゃあないんだけどね。
畝黒家自体が非人間で構成されている。付き人の矩人(かねと)は人間だが」
「付き人ってか、執事よね?明莉専属の」

「明莉お嬢様がゼルフェノアを引っ掻き回しますから、その間に彼女を潰して下さいな。イーディス」
「當麻様、ありがとうございます」



ゼルフェノアは水面下で畝黒コーポレーション…もとい畝黒家とイーディス達2人が動いていることにまだ気づいていない。



「この怪人が人為的に作られたということは、敵は人間?」
晴斗はなんとなく呟く。

「人間とは限らない。確実に言えるのは私を拉致した犯人が絡んでいる。そいつらは人間だ。
…もしかしたら私を…ゼルフェノアを潰しにかかるかもしれない…」


「過去にもゼルフェノア潰しを仕掛けた連中いたけど、今回はなんか違うよね…。異様というか」
彩音は不安を漏らす。

「鼎、あたしがあんたを警護するから心配しなさんな」
「梓…」


「名前が変わっても姿が変わっても悠真は悠真なんだから。…ごめん、鼎。プライベートだけ悠真って呼んでいい…かな…?ダメ?
仕事中は鼎呼びするよ。まだ慣れないけど」
「仕方ないなぁ。プライベートだけだぞ」

「あたし、まだ仮面姿の鼎に慣れてないから違和感すごいあるんだ…。慣れるかな…。最初見た時、ちょっと怖かった。仮面のせいかな…」
「そのうち慣れるさ」


鼎と梓は少しだけ打ち解けた。元々幼なじみだった2人なので比較的慣れるのは早い。
梓はまだ白い仮面姿の鼎に慣れてないだけで。



水面下では明莉と矩人が動き始めていた。
明莉はかわいらしいお嬢さんで小学生くらい。だが、基本的に無表情でどこか怖い。非人間ゆえの怖さだと思われ。


矩人はその明莉の付き人だが、ひたすら明莉をヨイショする。

「明莉様、これからどうします?ゼルフェノア潰し」
「そうだな…まずは隊員を見てみるぞ」


見た目は小学4年生くらいの女の子だが、どこかお人形さんのようで余計に怖い。
話し方も子供とは思えない、機械的な感じ。感情がない。



この畝黒家のターゲットになりそうな隊員がいた。いちかだ。



第2話へ。


モリンガティー


話題:飲み物
ダイソーにあった、このメーカーのお茶シリーズでめちゃめちゃ気になったのがモリンガティー。
おすすめ商品では黒豆茶とはあったのですが、物珍しさでモリンガティーを買ってみた。

モリンガって何ぞや?という好奇心で。


モリンガティーってインドのお茶なんだな。
飲んでみたら癖がなくて爽やかで飲みやすい。緑茶みたいな感じかなーと思いましたが、全然違った。

めちゃめちゃ薄い緑茶飲んでるような感覚。味は薄いです。でも飲みやすい。


このダイソーのお茶シリーズ、6種類くらい見たような気が。プーアル茶もあったよ。


無題


話題:おはようございます。
昨日の拍手7個ありがとうございます。昨日はメンタルやられて晩飯食べませんでした。台所にいただけでわけもなく涙が出てきてしまって、飯どころじゃなかったから。

あとおかんが昼間の口喧嘩を蒸し返してきたのもあったんだと思う。蒸し返すなよ…。
空気読まないでずけずけ言うやつ、嫌い。いくら親でも空気読めってば…。場所関係なしに言うのはどうかと思う。気まずかったわ。


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