「夕日の微笑み」から離れると

「あぁぁぁん……」

「夕日の微笑み」の肖像画の近くに寄れば

「きゃきゃきゃ」

「初代ボンゴレ様が気に入ったのかなコラッロ」

聞いているのかコラッロは、「夕日の微笑み」にペタペタ触ったり喜んでいる。

「初代ボンゴレ1世」ボンゴレを立ち上げボンゴレ二世にボンゴレを譲った後、早々日本に渡り引退した伝説の人物であることを9代目から子守唄のように聞かされた。

9代目は、女に初代ボンゴレ1世のことを嬉しいそうに話していたこともあった。

夕陽のような橙の澄んだ瞳。陶磁器のように白い肌。百年以上前の男性であるのに女は、美しいと思った。父親を小さい頃に亡くした女は、よく9代目にこう言った。

「おじいちゃん。私のお父さんってこんな感じの人?」

「あぁ初代のようにイタリアから日本に渡るところが似ているよ」

回想終了ー

腕の中ですぅすぅ寝息をたてるコラッロに気づいた女は、安堵の息を吐いた。

「泣き止んだか。君に似て「夕日の微笑み」が好きな赤ん坊じゃ」

「9代目様。この画埃が積もってますが磨かないのですか?」

コラッロの手に埃がついていた。

「手を拭かせてくれ。コラッロちゃん指ふきふきしよう」

ハンカチを取り出しそっとコラッロの指を拭こうとしたら

「あぁあぁあぁ」

コラッロが泣き出した。

「起こさないようにしたのに」

「コラッロホーラ「夕日の微笑み」初代様よー(゜ロ゜;ノ)ノ」

彼の話を聞いているかもしれないコラッロを遊び部屋に入れた

「私がコラッロ様のお世話をします。先輩は、9代目様とお話てなさって」

「コラッロが泣き出したら「夕日の微笑み」を見せるのよ」


メイドの返事で9代目と相談を続けた。