前置き。気まぐれでやっちゃた少年陰陽師のはなし。
「青龍のわからず屋!!」
安倍の家に響く姫の明菜が外へ飛び出していた。
生まれた頃から青龍が育って親。紅蓮のように昌浩を構ったりしないくせにうるさい説教ばっかりする。元々の不機嫌な顔の上にシワばっかりを寄せる。
「青龍のバカバカバカ!!いいじゃんかもっくんを抱き枕にして昼寝してもよっ!!」
明菜が青龍とけんかした原因は、とうだ。仮の姿は、ふわふわした胴長のもっくんと遊ぼうとしたことにある。青龍がもっくんを遠くへ蹴飛ばしたから明菜がもっくんを探すことになった。
木の枝にひっかかったもっくんを見つけると明菜がもっくんの元へ登る。
「もっくん大丈夫?」
「明菜姫そっち足にひっかかった取っ手くれ」
ゆっくり足に絡む枝を取り除くともっくんを片手で抱くとゆっくり木から降りた。
「もっくんごめんね。青龍帰ったら口きいてやんない」
もっくんの頭を撫でる。ふわふわして暖かい。お返しとばっかりに尻尾で明菜の腕を撫でる。
安倍の低に帰ってくるまで明菜は、不機嫌だった。
「にゃー」
自分の部屋に入ると猫がいた。
「何処から来たのかな。わわっくすぐたい」
足の回りをくるくる回る猫。
「猫ちゃん。どこから来たのかな。」
頭を撫でると猫が明菜の手にじゃれた。
もっくんは、明菜の肩から降り何処かへ行った。
「よーし。猫あなたのことは、青龍ってよんであげる。青龍も君くらいの愛想があればいいのに。」
明菜は、猫に青龍と名付けて遊ぶことにした。猫は、無邪気にはーいと返事するようににゃーんと鳴いた。
「ほれほーれ青龍がんばー」
猫じゃらしにじゃれつく猫。しばらくしてぺたぺたと尻尾を床に叩く仕草をした。
ぐぅぅぅー。
「青龍ゆうげ食べに行こう」
夕飯を食べに歩くと猫も明菜に着いていた。
「おや。明菜よ青龍と一緒では、ないのか?探してたぞ明菜のことを。」
祖父の晴明が明菜の護衛である青龍がいないことに首をかしげた。
「いやだわ。じい様青龍ならほらここにいますって。」
猫のほうに視線を向ける。
「フーー!」
逆毛立て晴明に威嚇する猫。
「じい様は、怖くないよ青龍。」
「獣は、本能で人を見るものじゃ明菜よ。どうやらその猫は、わしのこと嫌いのようじゃ。」
猫にてを伸ばすとガリッと晴明のしわしわの手の上を引っ掻いた。
「ああぁじい様悲しいの猫の青龍にひっかかれ嫌われたよよよ」
「青龍は、じい様を嫌わないよ。」
猫を抱き上げゆうげを食べに行く。
食欲が満たされるとくぅぅぅーと猫は、伸びをするとそのまま明菜の膝の上に乗り眠った。
「ずいぶん明菜のことを気に入ってるんだな。」
「しー。もっくん青龍が寝てるから」
猫にしかめっ面の多い冷たいやろうの名前をつけるか。その言葉飲みこみ明菜の表情は、猫を愛でる優しい顔をしている。
「茵に行かねかぁ。」
「紅蓮に戻ってくれる。」
「いやだねー。そいつどかせ」
「だめだよ。私青龍起こせないよ。紅蓮になれば私ごと青龍を茵に運べるでしょ。」
「いーやだね。あばよ。」
白い獣は、逃げた。
青龍を大事に両手に抱いて。起こさないようにそぅーとそぅーと茵まで歩いた。
ゆっくり猫を下ろすと明菜は、猫の隣に寝転がる。
白い毛並みに切れ長の青い眼で美人だと思える子猫の寝顔を明菜は、撫でた。
「青龍どこにいったのかな。じーさまのところにもいなかったし。拗ねて帰ったのかな。」
「にゃー」
「起きちゃった青龍。」
ペロペロと明菜の手の甲を舐めた。
「猫。君のいる屋敷は、狐から生まれたじーさまとじーさまに従う12人の式紙ーじゃなく神様っていう人外が住んでる家なんだ。じーさまの子供と孫には、じーさまに従う神様が育っての親代わりになったりするの。12人の神様で青龍っていうめつきが悪いし。口が悪いし。良いところは、美人であることだけの(笑い)面倒見がいいんだかめんどくさがりなのか分かりにくーーーい神様が私を育っての親代わりしてくれているの」
猫は、毛並みの手入れをして明菜からみた青龍に対する不満を聞き流している。いや聞いてない。
しばらくして明菜は、猫を抱き締めてねむりについた。
数時間後。離魂術で猫と眠ってる明菜の部屋に入った晴明は、そうーと猫の額に触る。
「解!」
猫の回りに煙が上がる。煙が少なくなり視界が開ける。
「どういうつもりだ晴明。」
どすのきいた青龍が晴明を睨みつけた。
「楽しめたか宵藍よ。」
「このような屈辱で楽しめるか」
「紅蓮のようにはしておらんよ。ただの猫になるだけの呪いをかけただけだ。明菜を護衛として尾行しない青龍の軽い罰だ。」
「何も俺では、なく大陰に追わせでは、よかったろ。」
「青龍………どこ……にいるの。こわいよぉ。」
心細い明菜の声に青龍は、明菜のほほを撫でた。
そうすると明菜は、安らかな寝顔になった。
「明菜青龍は、ここにおる安心なさい。」
「とっと本体に戻れ晴明。戻らなければ連れて行くぞ。」
「わかっておる」
晴明が消えると青龍は、明菜の頭を撫でる。
「いくつになっても明菜は、子供のままだと困るのは、己だ。俺がいつでも護れると思ったら勘違いだ。しかり足を大地に立って。己が目指すところまで歩いて納得行けるところまで行ってみろ明菜。」
青龍を背に後ろに寝返る明菜に嘆息する青龍は、そのまま異世界に戻った。
「青龍ー。猫知らない。昨日屋敷にいったのに」
「さぁ。しらん
終わ