オロチが笑えたマークス王子のネタ2


マークスは、耐えていた。

「苦いのーーー。お饅頭美味しいの」

少し行儀が悪いピエリが羨ましいと思えた。

「あのカゲロウさん少し痺れてきたので崩していいですか」

「では、脚を横におろしてみよう」

「ふぅー。椅子なしで座るのは、こたえますよ。足の感覚がなくなって踊れなくなったらどうしよう」

ラズワルドが体勢を崩しこぼした。白夜式のお茶会に参加してみれば座布団というクッションに似たその上で足を曲げて座る正座がマークスにとって痺れるものだった。

「カゲロウ座布団には、レースがないの。みんな同じ色ばっかりなのー」

「同じ色の座布団は、主催者も客人も対等になるものだ。主催者も客人もお互いマナーを守り親睦会をするものだ。」

「お茶会の道具もお菓子も違いがあるのー。」

「故郷でもそれらしい国があることを知ていたけど。白夜に似ているものを体験する日が来るなんてね」

「おぃ。白夜王国の他にもあるのか?」

「知り合いの噂だけだよ。」

「行き方も知らぬのか。」

「うん。遠い遠い離れた場所にあるから


「お前が何処の出もわからない場所を聞いて何処までが本当か知らぬが。見てみたいものだな白夜王国に似ている国へ」

女性でピエリとカゲロウがそれぞれのお茶会の話で花を咲かせ。ラズワルドの脈絡がない国の話に興味を持つサイゾウ。

マークスは、正座で痺れた足を滑らせて転ばないようにゆっくりと崩し立ち上げるタイミングをどうしようとじあんした。転ぶと恥ずかしいし。立ち上げると臣下に気をつかわしてしまう。さてどうしよう。


「少し散歩してこよう。」

リョウマが立ち上げる。正座をするお茶会に慣れているのかいつも通り涼しい顔をしている。

「マークス痺れが取れたら来てくれるか。お茶の道具を運ぶのに猫の手がほしい。」

「いいだろう。」

「ねぇカゲロウ。ピエリも歩きたいのー。正座で少し変なのー」

「ピエリは、我慢強く偉かったぞ。」

「えへへー。カゲロウが褒められるとピエリ大人に近づいてるのかもー。」

痺れが取れた足で微笑ましいやり取りから離れてリョウマとお茶の道具を取りに行った。


「初めての割によく正座した。」

「白夜式のお茶会は、悪くないが正座苦しかった。」

お茶の道具が入っている倉庫へ離れる。

「おい。だいぶ離れているぞ。川を沿う所へ来てる。」

「あれは、嘘だ。何時間も正座を我慢する会でもない。そろそろだ」

開けた場所に行けば流れる川の下に岩に囲まれため池があった。リョウマが草履を脱ぐと溜め池に足を浸した。

「マークスもどうだ。ちょうど気温もいい。川の水で足だけでも気持ちいいー」

リョウマの言われた通りに真似をして着物が濡れないように足を溜め池に浸かった。
水の冷たさ。溜め池の底に沈んでいる小石がマークスの足を解していく。

「なかなかいい。」

暖かい日差しの下の水浴びが心地好い。マークスが片足を上げると水が跳ねた。戻すと池が表面に揺らめいた。


「生き物は、水に浸ると落ち着けるものだ。王族も。民も。動物も。」

白夜の王子リョウマの言葉がマークスの心を染み込ませる。

「リョウマ王子の忠臣で似ている人が二人いたことを私は、覚えているぞ。」

「どんな人物だった。絵心があったか?どっちらが真面目だ。」

「さぁ。どっちらが「マークス様来ていたのですかー」

「綺麗なところなのー。」

「リョウマ様。我らも失礼します」

割り込んだラズワルド。次にピエリが忍の臣下と水浴びに来た。

「ひんやりして気持ちがいいのー。」

「着物が濡れるぞ。留め具でもしていろ」

「ありがとなのーカゲロウ。次のお茶会カゲロウもしない。ピエリがおもてなししたいのー」

「それは、たのしみだ参加させてほしい。」

「うん。ピエリ張り切ってお菓子作って声をかけるのよ」

大人の女性カゲロウに懐くピエリの子供のような無邪気さにリョウマは、和んだ。
マークスの前の臣下は、自分の臣下に似ていることがきになったが今は、戦を忘れて親睦を深めて過ごせばいいと思えた。
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