敏腕メイドの気晴らし

あらすじ。秘境で産休しているフェリシアがタクミと雪遊ぶするおはなし。


「弟が父親になるとは、めでたいな。」

「フェリシアおめでとうございます。タクミのことをよろしくお願いしますね。」

「タクミ子供が出来たら姉に知らせろ。」

「おめでとうタクミ。」

上からリョウマ、カムイ、ヒノカ、アクアがフェリシアとタクミを祝う。

「秘境にいる間タクミ様と離れるのが寂しいですけど頑張りますね!」

妻フェリシアが片腕をあげて力こぶを作る仕草にくすっと笑みがこぼれた。


冬を迎えた頃ー。


「タクミ様ー。フェリシア暇ですー。」

タクミの後ろに抱きついて来る妻。氷の体温がありながらお腹は、順調に育っている。

「少し散歩に行こうか。今朝から雪が降ってたろう運動しようか。」

「タクミ様に雪で遊べることをじゃーんじゃーん教えますね。」

氷の部族出身のフェリシアは、雪の単語ではじゃぐとお腹を撫でた。

「お父さんと雪遊ぶに行きましょうねぇー。」


麓に行けば辺りは、真っ白の雪。泉も凍りついている。タクミは、凍りついた泉を片足で踏むと固かった。もう片足を出し、歩くように足を出す。

「わわわっ!」

ぼふんっ!!雪がクッション代わりになり頭を軽く打た。

「タクミ様!!大丈夫ですかー。」

「ああっ。少し冷たい。」

上半身を起こすと一つ結ぶの髪に雪が絡
まっていた。

「ははははは。タクミ様雪がたくさんついてますよー。」

氷の鏡を出すとタクミに当てて見せる。

「あっ。ほんとうだ。」

「少し後ろを向いてくれますか。雪を払います。」

「大丈夫だよ。ホラ毛先の飾りを外さば」

後ろ髪についた雪の塊がぼとぼと地面に落ちる。

「タクミ様の髪飾り便利ですね。はわわわ髪がいつもよりさらさらでツヤツヤですー。」

言いつつも櫛でタクミの髪をとかす。

「タクミ様の髪いつもよりよくなりましたよー。」

「ありがとうフェリシア」

つやつやの冷たい髪の先の飾りを付ける。

「氷の上で滑るのが難しいな。」

「ならお手本でも見せましょうか?慣れでば滑って進むことができるのですよー。」

「転ぶと君も赤ちゃんも痛いからダメだよ。フェリシアほら兎作ってみたよ。」

「まぁ可愛い。ではでは私も。」

タクミが雪のだるまと兎を作り。フェリシアが雪を集めて色々な生き物犬、猫、花の形を作った。

「フェリシア楽しいかぃ。」

「はい。タクミ様の兎たくさん現れましたねー。」

「フェリシアの雪の犬どうやって作った。」

「はい。暗器をやすり代わりにこうしてあっタクミ様今蹴りましたよー。」

「ほんとうか。早く出て遊ぶたいのかな。ほら雪を触った手だよ。おぉ元気だな。」

お腹の中を蹴られると痛いものの赤ちゃんは、タクミに触れるだけで反応してくれる。生まれて自分も遊びたいとせっかすように。

「そろそろ帰ろうか。」

「ええっ。タクミ様の雪兎をえいっ。」

タクミの雪兎をフェリシアの冷気で凍らせる。

「これは、もって帰りますー。」

「長く雪兎を冷気で保管出来て便利だね。」

「次に雪遊ぶするのは、赤ちゃんが産まれてからがいいですー。タクミ様赤ちゃんの名前とか決めてますかー。」

「男の子でも女の子でもいいような名前な
らキサラギ。」

「キサラギ?」

「雪の衣からでる新芽を育ってほしい意味を願っての名前だよ」

「春のような名前で素敵ですー。」

フェリシアがタクミのぎゅーと抱きついてきた。タクミも抱きしめ返す。

「また冬で遊ぼ。」


「はい。氷の滑りも教えますねー。」

雪の寒さで元気になるフェリシアの笑顔が輝いて見えた。

「ドジならないフェリシアが見えるね。」

「ムムッタクミ様一言余計です。」

「そろそろ帰ろうか。」

小突いたフェリシアの手を握るとそのまま手を繋ぎ屋敷へと戻っていた。

終わり。

お兄さんが暗夜へ行く ちょっびと

過去?へ来てそろそろ三週間過ぎている。今頃リョウマの知っている世界は、どうしているのだろう。リョカムがいなくなったことで妻のカムイが心配しているだろうか?シノノメは、カムイに雑なことをして心労を与えていないだろか。カンナは、泣いてカムイを困らせていないだろうか。

せめて知っている世界に戻る方法があるなら帰りたい。だけどリョウマは、過去の幼いカムイのことが気がかりで。

「あれジュンどうしたのその見慣れない衣装」

「カムイ様かっこいいだろう。」

時間を作って自作のスメラギの服を着たリョウマ。背格好も髪型も父似であることをいいことにカムイに見せた。

「ジュンかっこいいね。」

「カムイ様思い出せませんか。」

「うーん。全然。ねぇジュンは、白夜のこと詳しいよね。私にも教えてよ。」

「えぇいいですよ。では白夜は、「カムイ入るぞ。」

ノックの音が聞こえカムイは、慌ててジュン(リョウマ)に大きな布を被せた。

「マークスお兄ちゃんレディの許可おりないうちに入らないで!」

「一人前の口を聞くようになったな。ジュン寒いのか温かくするだぞ。」

「マークス様お気遣いがありがとうございます。」

「お前は、一命をとりとめったはよかったものの。カムイ以外のことを忘れる程に記憶がないのだろう。」

ジュンのこと知らないで当然だ。本物のジュンが死んだ。どうゆうわけかジュンになったリョウマがカムイの使用人となって過去にきてしまったからだ。

「カムイ様の近くに生きていられるだけで悔いはありません。」

「またカムイのことを頼んだ。」

マークスがカムイを連れて部屋を出た。

リョウマは、ほっとした。白夜関係のものを暗夜の人間に知らせない約束をカムイにさせた。もし暗夜の人間が白夜文化を披露するのを見ようものなら感づかれてしまう。

「カムイもあの国のことを話せない辛さと同じか。」

スメラギの服装を見てもカムイは、1つも白夜のことを思い出せなかった。リョウマは、使用人の服に着替えた。

















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