僕は、レオン。暗夜の王子で七才。兄と姉と少し成長(?)した妹は頼りない姉のカムイを無条件で可愛がる。僕は、女の子みたいな顔をしていることが嫌だ。もっと強くなって頼れる王族になることを目標にブリュンヒルデを学んでいる。

「レオン様お茶です。」

「あぁ……ありがとう」

何時臣下にしたのかゼロがお茶を出してくれた。

「レオン様たまには、外へ出ませんか。お勉強ばっかりだとリラックス出来ませんし」

「僕は、いい。」

「タクミ様が怖いのですか?カムイ様には、会わせませんから」

「なんで白夜の話出すんだよ。僕のお姉ちゃんじゃないから別に会わないでいいよ。」

「いいや。レオン様もう二週間前からカムイ様と会話していませんよ。」

「うるさいなぁ。あっち行って!」

「ご命令とあらば。」

ゼロが離れた。カムイは、レオンからすれば赤の他人だった。薄々気づいていたし外へ出ることがなかった姉がどうゆう経緯で両国をまとめる軍師になったかわからない。カムイの近くで甘えん坊がレオンに意地悪をする。まったく気にしていない赤の他人であるカムイお姉ちゃんのことなんて。部屋から出て散歩することにした温泉の辺りに来た所まで来る。

「レオン。散歩?」

カムイ姉さんがバスタオルを持ち歩いていた。

「姉さ…はっ!たまたま通っただけだよ。」

「そうなんだ。城が広いでしょ」

「うん。これ姉さ…カムイに珊瑚あげる。ポケットに入りきらないから」

「ありがとう。レオンお風呂に入らない」

「恥ずかしくないのカムイ。一人で入りなよ。僕寒くもなんともないし。」

「明るいうちにお風呂入ると気持ちいいよ。行こう。」

「手を引っ張らないで。」

「大丈夫だよ。バスタオルもう一枚あるから行こう」

そうゆう問題じゃないって!ツッコミを入れつつもカムイとお風呂に入ることになった。

「お姉ちゃん嬉しいよ。レオンとお風呂に初めて入れて」

レオンの髪をとかして結局お風呂に一緒に入ってしまった。頭の上をとかすにもびよーんと上に伸びる。

「姉さ…カムイそこはいいよ。カチューシャで挿して。」

「うん。いつもの髪型になりましたねー。」

カムイが頭を撫でた。やめてといってもやめてくれずされるのがままに撫でられた。

「レオンさんは、私と歳が近かったから一緒にお風呂に入ることもありませんでしたものね。子供に戻って一緒にお風呂に入ることが来るとは思えませんでした。」

「姉さ…カムイは、甘えん坊とお風呂に入ったの?」

「えぇ。タクミさん甘えん坊で一緒に眠ったりもします。」

「姉さん甘えん坊のことどう思っているの?」

カムイは、しばらく考え込む。

「正直ギャップが激しいですね。あのタクミさんとも思えないくらい可愛い甘えん坊の小さな弟です。」

満面の笑顔で無邪気なタクミが思い浮かべた。姉は、素直で甘えん坊な弟が可愛いじゃないか。カムイから離れよう。姉さんには、戻る場所は、暗夜じゃなく白夜だ。

「あっレオンさん待って。」

「姉さんは、僕と姉弟ごっこしないで実の弟を構えばいいじゃないか。姉さんごっこに付き合わされるのあきたよ。」

「レオン違う。」

「何が違うの?カムイばっかり可愛いがるマークス兄さんとカミラ姉さんに言われて僕のことを弟と信じたんでしょ。僕は、最初からあんたのこと姉さんとおもっていなかったもの。」

「レオンならどうして私のことを姉さんと呼ぶかけようとするの。」

「あれは、言葉のあやだよ。」

「お風呂に一緒に入るの嫌なら魔法書で叩いてでもいやがるはずだよ。」

「忘れたんだよ。髪とかとかされて悪い気もしなかったんだ。」

優しくて暖かい手のひらを払うことが恐い。自分と同じ幼児に戻ったタクミを甘やかすカムイことが面白くもないから距離を置いたのに。

「レオンは、今も弟だよ。血は繋がりがなくとも過ごした時間をなかったことには出来ない。ダメなお姉ちゃんは生意気でもしっかりものの弟を頼っていることをなかったことにするのは出来ないもの。」


「子供に戻る前の僕は、頼れるの王族になってたの?」

「うん。冷静で頼れる王子さまになっていたよ。」

「姉さんギューしてもらってもいい。」

「タクミさんと負けないくらい甘えん坊ですねー。」

視線を合わせ屈むとレオンが首に両手を回し抱きついてきた。

「甘えん坊のオウジサマと一緒にしないでよカムイ姉さん。」

カムイに呼びたかった言葉をを言えただけでレオンはカムイを姉弟としての距離が近づけた。

「レオンさん浴衣が死人の留め方逆です。」

「えぇー!これでいい?」

「はい!浴衣が似合っていますよ。」

続く。








神器「風神弓」の独自ー。

私の名前は、風神弓。白夜王国か神器の一つで親と子の代から脈々と使い手の手足としている。

先代の話からしよう。先代は、白夜の国王の元へ嫁いだ身元不明の巫女で名前は、ミコト。夫が亡くなると女王として国を守り統治をした。高い魔力と未来を予知することが出来侵略した暗夜兵と間者の戦意を奪う結界を張り白夜を守った。

またある時は、女王自ら祓串で負傷者を癒し風神弓を片手に野性のノスフェラスを退けた。勇ましくも慈しみ深さに倣い巫女が弓を持つようになりやがて「守られる巫女」から「戦える巫女・戦巫女」の呼称が出来上がった。

ミコトは、暗夜に拐われた子供カムイと再会する夢を見るようになったある日次の風神弓使い手を白夜第二王子タクミへと託した。

カムイが白夜に戻った夢が現実になった日国中が喜んだ。ミコトは、それは、もう喜んでいた。どの笑顔よりも輝いていた。ところがその喜ぶは、唐突に終わってしまった。カムイが暗夜の危険物の爆弾を知らずに持ち込んだことが原因でミコトは、子供を庇い死亡したのをタクミとともに目の当たりにした。

そのあとカムイがどこから知ったのか透魔が両国を滅ぼそうと裏で糸を引いていることを知り色々あって白夜と暗夜は、カムイの元へ集まっている。喜ばしことに暗夜の神器の現使い手もいる。片方につかないおかげで神器の使い手が亡くならずに済んでよかった。次の使い手が育つまで簡単でも
ないからだ。

タクミは、とあるメイドと結婚しキサラギが産まれ育ったことで次の風神弓の使い手の息子へと託すことにしたいらしい。キサラギは、嫌いではない。願わくは、前向きさ憎めない人柄を濁らせないことを願う。

話が長い?仕方がないでしょ。だってタクミが最近私を使わないでいるからだ。何故って?

………知らん。だから暇をもって余してこうして親と子の代から使われる神器の一つとして使い手の話をしているんだ。

別に透魔を制圧したから使う必要がなくなったわけじゃない。キサラギが時々私を使えるまで訓練は、している。ただ隣に教えてくれるタクミがいない。そういえば両国の弟王子にそっくりな子供を見かけたような気がする。カムイを初めその子供のことを「タクミ」と「レオン」と呼んでいる。

世の中同じ名前は、三人もいる。タクミは、今どこにいるのだろう。会いにきてくれなければ…じゃなかった使ってくれなきゃ忘れられるじゃないか。
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