双子が竜化したあとの続きです。

見えない兵隊を倒し秘境を安全にさせた。カムイは竜に変身して双子のカンナとカナに近づいた。耳元?でに何か言うと弟と妹のまわりに煙が上がった。煙が晴れると双子が姿を現したら。

「お母さん僕どうしたの?」

「先の見えない兵隊は?」

竜になったあとの記憶がない双子は戸惑っていた。

「二人とも竜になっていたのです。」

「へ?竜に?僕はただお母さんが傷つけられて悲しくなっただけなのに。」

「お父さんがもうダメだと思ったらとっさに身体が動いて。変だよね人から竜になれるなんてー。」

「否。カンナもカナもお母さんと同じ竜の姿になっていた。カムイと同じ血を継いでいるからおかしいことではない。」

双子に近づくとさらっと告げるリョウマ。

「そうなの。お母さんと同じ竜に。」

「二人とも私とリョウマさんを守ろうとして竜になれたのです。お母様が目の前で殺された悲しさが爆発した時と同じように。」

激しい感情が人から竜になれることを初めて聞く。小柄で年端のいかない双子は母カムイの子供で。シノノメからすれば弟と妹になる。先の戦いは数の暴力だった。あのとき双子はシノノメから飛び出して竜になったとき戦局が変わった。心強くて強い戦力にもなれた。そう思った途端にシノノメは双子にすることがあった。双子の目線に合わせて屈んだ。

「カンナ。カナどこか怪我はしてねぇか?」

「あなたは誰?どうして僕とカナの名前を知っているの?」

「カンナとカナ会うのは初めてか。シノノメと言う。お前たちからすれば兄だ。」

「へ?シノノメお兄ちゃん?」

「わぁやっと会えたね。初めましてシノノメ。」

カンナがシノノメの首に手を回し抱きついた。

「早く教えてほしかったよ。シノノメお兄ちゃん」

カナも続いてシノノメの背中にしがみついた。暖かい。双子が産まれた時しか兄として過ごす時間が短かった。今こうして無邪気に懐いてくれてまんざらではなかった。

「二人とも心強かったくて助けられたぜ。」

「本当!」

「強かったー?」

「あぁ強かったぜ。ただ二人とも親孝行もいいがいきなり敵の前飛び出すなよ。」

「えっ?わぁ。」

「痛ぃ。」

双子を交互に拳を作って拳骨した。

「シノノメ何をするのです!」

双子の元へ行こうとしたらリョウマが止めた。

「カムイ双子に竜石を作らせるぞ。」

「子供用の竜石をつくれるのですか?」

「大丈夫よ。さぁこの二つの石に念じて。」

「はい。」

アクアの言う通り竜石を作っている間シノノメは双子と話をしていた。

「二人とも護身術はつけているか?」

「うん。僕もカナもお母さんから剣術を習っているよ。でも今日は練習用の竹刀
持ち歩いてない。」

「お父さんとお母さんが来るのを楽しみにしていたから竹刀邪魔だと思ったの。」

秘境は安全で平和な場所。時間の流れが現実と同じだったらカンナもカナも赤ん坊のうちから見えない兵隊からすでに命を失っていた。

「二人とも歳はいくつだ?」

「カンナと同じ八歳だよ。」

カナが指を八の数でシノノメに見せた。二人とも大人と戦えるほどの力がついていない。

「戦場に飛び出したらあぶねぇだろう。」

「ごめんさい。」

「謝って欲しいわけじゃねぇ。それでも無事でよかった。」

シノノメはカンナとカナを抱きしめた。

「お願いだ。自分で死に行くことをもう二度とするな。本当に死んだら父さんも母さんも俺も悲しい。先のは両親の分の拳骨だ。」

「わかったよ。シノノメお兄ちゃん。」

「よし!カナは素直だな。カンナは?」

「お父さんお母さん守って戦うのがだめなら僕はどうやって戦えばいいの?」

渋らせる顔で言う弟の頭をシノノメは撫でる。カンナはカナよりも親思いの良い子だ。

「俺の近くにいろ。俺は槍には自信がある。剣聖の一人だろうと。同じ槍聖一人だろうと。槍なら負けはしない!」

「シノノメの隣にいてもいいの?迷惑じゃない?」

「そんなことねぇよ。俺の近くで戦うということは俺が弟と妹を守れる。カンナもカナも戦い方を俺から学べる一石二鳥じゃねぇか。ただし腕に自信がつくまで一人で戦場に飛び出すなよ。」

「それなら僕も戦えるね!」

カンナの顔が明るくなった。抱きしめた時震えていたシノノメを見てカムイは思った。親の見えないところから兄としての貫禄をシノノメは発揮するようになった。

「カンナ。カナ。竜になっても暴れることがないよう竜石を作りました。これは肌身離さずに持ってください。」

「わぁー。綺麗。」

「母さんそんなに竜って危ないのか?」

「えぇ。人の身体で竜の力は強すぎてコントロールができないのです。竜石をもつだけで竜になっても理性を保つことができるものです。」

「これで秘境の外へ出られる?」

「すいません。カンナもカナもまだ子供。危ないところへ行かせたくありません。」

「シノノメの許可入っているのに。」

「カンナ。カナは秘境の外が平和になるまで一緒にはいられない。わかってくれ。」

「父さん」

「シノノメ安請けするな。子供を危ないところへ放り込められない。」

「あっ。そろそろ時間です。次は二人の好きな果物をたくさん持ってきますね。」

「「いやだ。」」

リョウマにカナがしがみつく。カムイにカンナがしがみつく。

一区切り。



























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