「おぃ。お人好しが落ち込むな。感染するだろうが。」

「人が増えて会うだけでも憂鬱で」

「避ければいいだろう馬鹿か。」

夫とジョーカーのやり取りを遠目で見ていたサクラとエリーゼが見る。


「サイラスが落ち込んでいるところレアだね。ねぇサクラ聞いてみようか。」

「エリーゼさんちょっとまだ心の準備が」

「大丈夫だよ!お姉ちゃんの話を振れば五分で準備できるもん。」

エリーゼに手を引かれてカムイとの腐れ縁に近づく。

「ねぇ。サイラスお姉ちゃんの話なら入れーてー。」

しばらくサイラスがためらたものの語り出した。

「俺の家は、暗夜では名家の貴族で王城の出入りが許されていた。少し大きくなった頃にガロン王に非公開の王女様の友人になるよう紹介された。」

「それは、カムイ姉様ですね。」

「サイラス昔は、城の出入りが出来たのにどうしてできなくなったの。」

「非公開の王女を外へ連れ出してしまったからだ。」

「ガロン王様初めジ…ギュンターと内乱で生き残った王子様と王女様しかカムイ様に会うことができなかったのです。加えてカムイ様は病気ということで外へ出ることがゆるされない人だったからです。」

「カムイを外へ連れ出しただけでガロン王が怒り。俺を処刑しようとしたもののカムイは身を呈してかばってくれた。」

「怖い人に姉様勇気あります」

「お姉ちゃんかっこいい!」

「ガロン王は、処刑を取り止めになり代わりにカムイにお尻叩きだけで済ませられた。ここからがエリーゼ様にとって耳のいたい話が」

「えっ。どうして耳が痛いの??」

「ガロン王様がマークス様をお尻叩きさせるよう命令したのです。騎士としてのシンボルであったマークス様が幼いカムイの尻を叩きを無理矢理見せられて。」

「マークスお兄ちゃんセクハラだー。」

「初耳だぞ。カムイ様のお尻をマークス様許さん!!」

「ダメです!!ジョーカーさん抑えてください!!」

「ジョーカーやめろ!マークス様相手じゃ分が悪いぞ!!」

「じゃサイラス組手するか。見たんだろうカムイ様の(生のお尻)を。忘れろ。すぐに忘れろ!」

カムイ命の執事を取り押さえるのにエリーゼのフリーズで足止めして落ち着けさせた。

「姉様を仕置きしたあとにサイラスさんは、お城の出入りを禁止されたのですね。」

「カムイともう一度会うために暗夜の騎士を目指した。カムイに助けられた命があったから。」

「お姉ちゃんは、幸せものだなー。エルフィといい勝負だねー。」


心優しいカムイ様と天真爛漫なエリーゼ様は、愛情深いと改めてジョーカーを思えた。サイラスが自分よりも先にカムイ様に友人に選ばれてガロンの横柄のせいで会えなくさせられて。サイラスの代わりに話相手として指名されなけでば、ジョーカーは、生きていなかった。あぁなんかお人好しサイラスにムカついてきた。

「サイラス今日は、楽しかったよ。お姉ちゃんのことが聞けて。サクラ行こうか」

「はい。」

妹姫が離れていた。怒りだが喜んでいるのか分からないジョーカーを背にサイラスを残して。

「サイラス。組手でもするか。」

「えっ。珍しいないつも訓練をしないのに」

「うるせぃ。俺から一本取ったら30分だけ相談できる時間をやる。」

「おおっ。これは、しないわけにいかないな。じゃ俺は、「カムイ様とどんな遊ぶをしたことを話すことにしろ。」

「それでいいのか?よし勝負!!」


カムイの腐れ縁の話終わり。とある新人騎士の憂鬱ー妻のなれそめ。


「母さーん」

アヴェルを連れてゾフィーがサクラの元へ駆けつけた。

「あらアヴェル今日は、大人しいのですね。」

「うん。アヴェルってばマークスさんの所に連れて行けば機嫌が良くなるの。あとねマークスさん色々参考になってためになるんだー。」

「まぁ。よかったですねー。」

楽しいそうに話す母娘で話す様子にエリーゼは、生前のお母様のことを思い出していた。エリーゼには、とっても優しかった。髪もよくといてくれていた。お母様の最期にエリーゼに優しかったのは、愛しいガロン王の血が入った娘だけだったことを気づかされた。

「エリーゼさん」

「えっ何?」

「先から呼んでいたのに返事がなくて」

大丈夫だよ。と付け足して母親の記憶を振り払うことにした。

「ねぇサクラは、サイラスのどの辺りが好きになったの。」

「へ。えぇぇー。」

「あたしも聞きたいなー。ねぇ母さんと父さんのなれ初め教えてよー。」

はぅぅとこぼしつつもサクラは、深呼吸して話始めた。

最初にサイラスと会ったのは港で敵として会いそのあとにエリーゼが急いでカムイ姉さんと合流したことに始まる。サイラス曰くカムイ姉さんとは、おさなじみで食堂で聞いた通り会うことを禁じられたことが原因で王城騎士を目指すようになった。

「サイラスさんは、誰かに洗脳されか呪いをかけられたのでは姉様のことを騙していると思い込んだ私は、疑いました。呪われたのなら高山しか育たない薬草を採ってから洗脳をとかそうとしたのです。」

「サイラスと知り合ったばっかりなのにサクラは尽くすねぇー。」

「イヤイヤ母さん話飛びすぎだよ。」

「後で姉様とサイラスさんの知り合いから聞いてから思い込みと気づいたのです。それからサイラスが祈祷してほしいと頼まれてそれからあぅぅ。」

「えぇー渋らないで教えてよー。つづきはー」

「告白されました。国と身分を越えて結婚
……しました。」

頬を赤らめて述べた。小さな母と父のなれ初めを聞いたゾフィーは、自分もいつかアヴェルと一緒になってくれる結婚してくれる殿方が現れないかと思うようになった。



とある新人騎士終わり。