前置き。このお話は。ディアラバの坂巻レイジのお話です。レイジには娘がいる設定です。娘の年齢は6か7くらいです。娘視線で始めます。
私のパパは逆巻家の執事で坂巻家の息子です。
息子で執事?一人二役で変なのーと気にしたら負けです。パパはたくさんの異母兄弟の世話と屋敷を取りしきる逆巻家にはいないと困る敏腕執事です。
私は人間のママと坂巻レイジとの間に産まれた娘の坂巻リリアです。
パパと過ごす時間が少ない。パパは娘と過ごすよりもパパの兄と異母兄弟と過ごすことの方が長い。仕事の邪魔にならないようパパが屋敷にいるときと異母兄弟といるときはあまり話をしない。
「リリア。暇なら私の手伝いをなさい。」
パパの自室でぼんやりしていたらそう声をかけられた。パパの部屋はまるで「美術館」。なんでそう呼ばれているのかというとパパの趣味は食器集めだから。部屋には年代物の食器と飾りが凝っている食器が部屋にたくさん飾ってあるから。
「その中から自分で食器を選んで磨きなさい。磨き終わったら私に言いなさい。」
言われた通り私は食器を選んで磨くことにした。ティーセット。グラス。お皿。ナイフとフォーク。カップ。ほとんど薔薇のある食器を磨いた。
「パパ磨き終わったよ。」
パパに見せて言うと表情を変えずにこう言った。
「その食器はリリアが好きなように使いなさい。」
「もらっていいの。」
「えぇ。リリアが綺麗に磨いた食器を差し上げます。」
「ありがとうパパ。」
パパに抱きつく。パパは私の背中に手を回した。