一方カムイと双子のメイドは洞窟にいった。

「すごい吹雪ですね。あと何時間で止むのでしょか?」

「自然次第です。無闇に吹雪の中を歩こうなら方向感覚が分からなくなります。」

「二人なら平気で歩けないのですか?」

「冷気を操ることが出来ても私たちは人間と変わりません。」

「そうですよー、カムイ様。私たちは氷と冷気を出せて。かつ寒さに強くとも自然の吹雪を止ませることはできませんよー。」

「私たちの村を創った氷竜(こおり りゅう)なら止まることはできるかもしれません。」

「なんですか?こおり、りゅうって。」

「雪山を守護していた神祖竜のひとつです。といっても氷の村に侵入者が入らないように冷気を飛ばして守っていることしか知りません。」

「暗夜王国の闇竜以外にも神祖竜が他にもいたのですね。」

「でもでもそれは本当か確かめる術もありませんよねー。」

竜が争い合っていた話は遠い遠いお伽話になった話。あったかどうかもわからない。だけど暗夜王国には、竜を奉っている。かつ王族は、竜の力を身体に宿している。竜の力を出したことは、ないけど。

「カムイ様お茶にしましょ。」

「あっフローラお姉ちゃんお菓子と水筒をもっていたのですか。」

「えぇ。といってもほんの少ししかないわ。カムイ様どうぞ召し上がってください。」

フローラがすぅと紅茶の入ったカップと袋の入ったクッキーをカムイに差し出した。

パキっ。パキっ。

「カムイ様。」

カムイは、クッキーを半分にぜんぶに割った。半分のクッキー四枚フェリシアに差し出した。

「カムイ様分けてくれるのですか?」

「はい。」

「ありがとうございますー。あまーいですー。」

「フェリシア!カムイ様使用人のことは、気にせずクッキーを。」

「いいんです。フローラさんの分も。」

「カムイ様。ありがとうございます。」

フローラにも同じように半分に割ったクッキーを四枚差し出した。フローラも食べる。