続イザナとギュンターの会話。
前置き。ヒノカは、暗夜のカムイが親子と年の離れたギュンターと結婚したことに驚いて。
色々ギュンターの質問攻めしたもののイザナ公王が宥めてやっと本題へ。
「ヒノカ女王落ち着いた。」
「あぁ。ギュンター。」
「はい。」
「あの子を幸せにさせろ。貴殿の一秒を先に長生きしようものなら。」
「当然です。幼い息子にも寂しい思いもさせません。」
「ふぅーやっと本題に入れるね。ヒノカ女王あれある。」
ヒノカは、それを合図にケースからあるものを取り出した。
「それは、夜神刀。」
戦争で使われた妻の愛刀は、ヒノカ女王の手にあった。イザナ主催の宴会が始まる前にカムイが現・王族の前でヒノカに返還した刀。
「持ってきてくれてありがとうヒノカ女王。これを。」
イザナは、押し入れからケースを出すと夜刀神をケースに入れた。
「はぃ。ぺたっぺたっ。よしこれでok」
ケースの周りに呪符を張り付けるとギュンターの前にケースを差し出した。
「イザナ公王?」
「ギュンター。君の住んでいる田舎にある泉の近くに。これを埋めて隠してくれない。」
「イザナ公王なぜ私に夜刀神を預ける真似をなさるのです。私でなくともカムイに預ければよろしいのでは。」
イザナは、首を横に振る。
「カムイじゃ駄目だよ。この刀は、もうカムイを選ぶことが出来なくなってる。この刀は、一度「救い切り開く力」をもつ意味を無くしているから寝ている状態にあるんだ。」
「確かにその刀は、もつ柄だけ暖かい以外に神々しさをなくしている。まるで使い手を失った雷神刀と風神弓のように。」
「イザナ公王の国には夜刀神についての伝承が残されているのですか?」
「うん。僕の祖先から古ーい古ーい言い伝えが残されているよ。といっても刀のことじゃないけどね。」
区切り。