侍の素養を引き継いでいないリョウマの娘カナは、父の別素養きんし武者になりました。
ところが当のきんしは、カナを主と認めず乗れない。
「こぃ。きんし。」
ピぃーと口笛を鳴らすとリョウマの元にきんしが降りてきた。リョウマが跨がりきんしに翔ぶように命令する。きんしは、リョウマを乗せて空を翔んだ。
「おいで、きんし!」
カナも父の真似をしてきんしに声をかける。当のきんしは、毛繕いをした。
「うぅーん。おいで!あたしの言うことを聞いてよ。」
きんしは、カナを無視して翔ぼうとしたのでカナは、慌ててきんしにしがみついた。
暴れるきんしに跨がると手綱を持った。
「わぁいい眺め。きんしは、夜でも身体全体輝けるんだね。わわっ。」
きんしが急にアクロバットした。カナは、手綱をゆるくもっていたからそのまま落ちていた。
「わぁぁぁ!あっ。」
「カナ。気を抜くな。」
地面に落ちる前にリョウマがきんしを操ってカナを空中でキャッチした。
「カナ。天馬をあまり空を翔ばさせていないだろう。」
「ちゃんと天馬に乗っていたよ。」
「祓串ばっかり使っていただろう。移動もほぼワープをつかってばっかりだったろ。」
「槍使って敵に攻撃もしてたよ。」
「これでは、きんしに乗りこなすまで時間がかかるぞ。お父さんもこのまま侍に戻れないぞ。」
「お父さんは、斧相手でもまけないじゃないの?」
「あぁ確かに。俺は、カムイに鍛えられた技があれば槍を持った状態でも負けはしない。だったきんし自体は天馬と違い扱い方は、とっても難しいだ。」
「お父さんは、乗れるのに?」
「きんしは、ぶぐんをあげてかつ闘いにおいて強い戦士しか乗せない生き物だ。」
「それじゃカナは、弱い子だからきんしは、言うことを聞かないの。」
リョウマは、一呼吸おいた。すぐに娘に「カナは、弱い。」と言うことを飲み込んだ。本音を言うよりもリョウマは、娘にマイルドにこうきりだした。
「カナしばらくきんしを乗りこなすようになるまできんしの相手をしろ。世話をすることで自分のきんしを観察してみろ。」
区切り。