竜に変身したお父さんでたま投げをした。お父さんは、届くようにカンナに珠をなげてくれる。カンナも半分竜になって角でとんとお父さんに投げ返す。
「カムイさんとカンナは、いつも仲がいいよな。」
「身体の部分だけを竜になれるのがかっこいいよね。」
「腕とか変化してもお洋服が破けませんし。」
竜に変身しても服が破かないってどうゆう仕掛けなんだろうね。
「お父さんそーれ。」
ボールがカムイの真上に飛んでしまった。
「わわ。飛んじゃった。ちょっと取ってくるね。」
カンナの背中に竜の翼が生えた。翼を羽ばたかせ体をゆっくりと浮かせた。
「カンナ人に見られないようにするんだよー。」
わかったーと空の上から返事された。
場面が変わりその頃のジークベルトは。
「変・身!」
竜石を持ってポーズをつけながら竜になれる練習をしていた。
けれどもいくら練習してもジークベルトの身体は竜になれなかった。
「駄目か。」
「ジーク」
「カンナ?あれ?どこから」
「ここだよー。上を見てー。」
上を見上げるとすぐに竜の翼をはためかせたカンナを見つけた。少しずつ降下しながらカンナはジークベルトの元へ降りてきた。
「ジーク。ボールここに飛んでこなかった?」
「ボールってあれのことかい。」
「あった。これだよ。預かってくれてありがとう。」
「ねぇ。カンナ竜になって空を飛ぶ感じはどんな感想になる。」
「う〜ん。もっと高く上がらないかなと思う。」
「じゃ地面の上で移動と飛びながらの移動どっちがたのしい?」
「地面の方」
「空とべるのにどうしてだい?」
「慣れ親しいから。空を飛ぶのは見渡すときに便利なだけだもん。」
「そうなんだ。」
カンナは父カムイよりも竜化して行動範囲を広げるのが上手いものだ。人間の姿で翼をだして飛行できるのはカンナくらいだ。
「ジークベルトバイバイ」
ボールを持ってカンナはまた翼を出して空を飛んだ。
「見つからないようにするんだよー。」
「わかったー。」
カンナがいなくなるとまた竜になれる練習を始めた。
「父上。少し尋ねたいことがあります。」
「どうした?言ってみろ。」
「歴代の暗夜白夜の王族で竜になれた人はいたのですか。」
「二大国家に伝えられるお伽噺か。本当にいたかどうか知らぬ。現に竜に変身出来る王族もいるな。」
「出来ればカムイさんカンナじゃなく。」
「変身できるよりも神祖竜の力だけなら受け継いだ歴代な国王と女王くらいしかいなかったな。」
「闇竜と光竜ですか?」
「闇竜のゆかりなら暗夜王国に2つくらいあるぞ。一つは暗夜王城に戦神として闇竜の像が。闇竜の遺体かは知らぬがか別名「黒竜砦」のもある。」
「なぜ闇竜は荒れ地の上から暗夜王国を築いたのでしょ?」
「逸話で生命力が他の竜よりも狡猾で生命力が強く荒れ地でも生きていける自信が闇竜にあったとも伝えられている。今となっては本当か。竜が生きている時代に人間から竜に変身できたという話はないな。」
「そうなのですか。」
「ん?それは竜石ではないか。」
「これはカンナがぼ‥私にくれたものです。」
「ジークベルト竜になれるのか。」
「いいえ。全然。竜になれる王族はカムイさんとカンナだけだと改めてわかったのでいいです。」
終わり