「シノノメ気がついた。」

目の前にカンナそっくりの天使がいた。自分は死んだのか?

「お兄ちゃん私は誰か分かる?」

天使が弟と妹にそっくりなのだな。変な剣に翻弄されて。メイドに急所を当てられて。襖が開く音が聞こえた。今度は母カムイに似た天使がー。んっ?似すぎてないか?大きな瞳から大粒の涙をこぼしシノノメをにらみつける。

「バカ!!シノノメ危険なことをばっかりして!親より先に逝くことは許しません!」

涙声混じりで叱る母。ここは医務室だ。シノノメは生きていたのだ。

パンっ!襖を豪快に開くと父リョウマが入ってきた。

「シノノメ歯を食いしばれ。」

ガッツ!言うが早くシノノメは殴られた。もう目が覚めた。ここは天国じゃない。シノノメは生きていた。

「お母さんが駆けつけるまでシノノメ危ないところだったんだよ。」

「それでサクラおねえさんとジョーカーおにいさんが大急ぎで手当てもしてもらって。カナも祓串が使えたから手伝ったの。」

「カンナ。カナ近い。少し離れてくれないか。」

双子は解説してくれたのはありがたいけど耳の近くで言われるうるさい。

「俺が剣に負けた。槍では剣に勝ってる寸法だろう?」

変わった刀を持てシノノメを襲った剣士は強くもなかった。なぜシノノメは負けた?

「シノノメ。カムイの特技は何だ?」

「竜に変化が出来ること。」

「竜には弱点になる武器が存在する。竜の鱗を斬り。竜を殺せる剣にシノノメは殺されかけた。」

「?俺竜になることが得意じゃないぞ。」

「竜に変身出来る出来ない関係ありません。母さんはドラゴンキラーが弱点です。母さんの弱点は息子であるシノノメにも受け継がせてしまったのです。」

「初めて俺の弱点に気づいたぜ。」

幼くとも竜になれる双子と同じ弱点を持っていたことに気づかなかった。

「シノノメ。槍に弱い武器使いに勝ってる過信が仇になったぞ。どれだけ槍が強くともドラゴンキラーの前では大怪我の元になる覚えていろ!」

続く。