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命の計算よりも大切な事

震災から2週間はともかく、今は家に帰ればネットもできるし、パソコンも開いて情報収集もできます。
だから、テレビこそ見ませんがインターネットにおけるいろんな原発関連の情報はいろいろと得ている方だと思います。
その中に、被ばく量は累積していくから掛け算にして計算していかなければならない。
というのがありました。
内部被ばくまで計算に入れた細かい計算式は見ましたし、その内容も理解しています。
多分、まあ間違ってはいないんだろうなあ。
というのも。
でも、それを理解し、踏まえた上での私の結論は
「細かいことは気にしない」
です。

決して、自暴自棄になっている訳ではありません。
でも、計算しても意味がないと思うからです。

今の福島で一番問題なのは放射能が「目に見えない敵」であることなのです。

例えば何マイクロシーベルトの放射能を今日、自分は何分浴びた。
何マイクロシーベルトのものを食べた。家の中に何時間いて外に何分くらいいて…。

それがメーターのようにはっきりと数値で表されて、さらに正確に計算できるのであれば自分があとどのくらい放射能を浴びていいのか。
今の自分がどのくらい危険なのか解ります。
そうして本当に危険と解れば仕事や家を捨て避難するとか考えることもできるでしょう。
でも、震災から一カ月、今の自分の被ばく量なんて誰も計算できません。
環境放射能数値は目安でしかないし、食べ物、水の数値だって直ぐには解らないのです。
それでも計算しようとするならかなり多めの計算をしなければならないです。
毎日、毎日何時リミットを超えるかと怯えるなんて、それこそ地獄です。
だから、気にしない事にしたのです。

暗い想いに囚われ命の計算をするのではなく、大丈夫だと信じて普通通りに生活する。
笑顔で笑って日々を楽しむ。
その方が、少なくとも心は健康でいられますから。

勿論、放射能を気にしない、というわけではありません。

マスクもするし、なるべく外に出ないようにもする。
雨にも触れないように気を付ける。
食べ物にも気をつけて良く洗って調理する。
花粉症と同じように、自分や周囲の人の健康の為にできるだけ気を付けて、後はその時の事と考え対処する。
自分の今を支えてくれる人を信じて笑う。

結局、今、私達にできることはそれしかないのだと思うのです。

まあ、花粉症よりちょっと、いえ、かなり厄介な相手ではあると思いますが最悪の事態にさえならなければ、けっこう上手く付き合って行けそうな気がします。

カントリー・ロード

震災からいろんなところで、自分という存在が前と変わっているのを感じます。
それは、物の考え方だったり、感じ方だったり、まあいろいろなのですが、歌のとらえ方も関わってくるようです。
とく気にしたことのなかった特撮戦隊モノの歌が妙に心に沁みたり、演歌が前より好きになったり。
昨日の朝、テレビで「カントリーロード」という歌を聞きました。
ジブリアニメの主題歌です。
現代もののこのアニメそのものはあんまり好きでは無かったのですが、歌は元から好きでした。
少しさびしがり屋の少年が、どこか突っ張って懐かしい故郷に帰りたいのに、帰らないと言い聞かせているような、そんなイメージだったのです。

でも、震災後、これを聞いたら涙が零れてしまいました。
まったく違って聞こえました。

自分の故郷に背を向けて、帰りたいけど、帰れない帰らないと涙と勇気を振り絞って別れを告げる歌に聞こえたのです。
それが、故郷を原発という災害で突如失い、避難所を彷徨う方々と重なりました。あの方々はこの曲をどう聞くのでしょうか?
今すぐにも戻りたいのに、戻ることを許されない故郷。
帰ってはいけない。でも帰りたい。そんな自分を奮い立たせ、今いる地で生きて行こうと前を向く歌に聞こえたのです。
今、自分達を原発難民と呼ぶ彼らは、故郷への思いを振り切って一生懸命新しい街で新しい生活を始めようとしています。
彼等はこの歌の人のように、故郷への思いを胸に、でもそれを懸命に振り切っているのでしょう。

でも、思い出は消さないで欲しい。
と私は思います。故郷への思いも決して捨てないで。
カントリーロードの歌は逆説的に帰らないと歌うからこそ、故郷の尊さを歌っているような気がします。
いつか、彼らが今は、背を向けたカントリーロードを歩いて故郷に帰れる日を願い、祈っています。

福島に来るという事

先日、いわき市の避難所にアントニオ猪木さんがおいでになりました。
7日には歌手の小林幸子さんが、いらっしゃったそうです。
3月にいわきに荷物を個人的に届けて下さったと言う江頭さん。
来週には力士の白鵬さん達がおいでになるとか。
とっても嬉しく、ありがたいことだと思います。

こういうことを聞くとやって下さる方を売名行為という方とか、被災地の人はミーハーだと言う方もいるんですが、それは違うんですよ。
今、福島に芸能人が来ると言う事。

それ自体が本当に尊いんです。

今は、震災直後に比べればすこしはマシになりましたが、震災当初は本当に福島はマスコミから避けられていました。
特に15日前後は今思うと笑えるほどに、テレビ局の中継はどんどん原発から離れて行きました。
最初は田村市の街中にいたのが、三春町になって郡山になってそして会津や県外の避難所になる。
原発が、放射能が怖いのが見え見え。
宮城や岩手の沿岸部の悲惨な光景を毎日映しながら、福島の報道は原発の恐怖を煽るだけ。
見捨てられたような空気が、福島を覆って、多くの人が福島に入るのを恐怖し、拒否しました。福島県の人をホテルが拒否したとかタクシーの乗車を拒否されたとかイヤな噂も耳にします。今も、芸能人の方の多くは福島に入るのを躊躇うでしょう。
本人が希望しても事務所が嫌がる筈。当たり前のことです。
でも、そんな中で福島に来てくれた。
危険かもしれないのに自分達を忘れないでくれた。
それが、どれほど全てを失い、家にも戻れず、失意の中で暮らす人々に希望の灯りをともすか。
本当に言葉にできない程の嬉しいことです。
またマスコミを連れて来て下さる事も大事です。
被災地の今、避難所の今を確実に伝える事ができます。


猪木さんは「元気ですか? と言っていいのか悪いのか」と悩んだとおっしゃっていました。

でも彼を迎えた被災者の方は「言ってください!」と躊躇わず答えてました。
「元気ですかー!」「元気です!!」
その会話に、私も元気をもらいました。
猪木さんに張られた人、小林さんの歌声を聴いた人。

勇気、元気を奮い立たせるその思い出を胸に、きっと前を向いて進んでいけると思います。
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