大家さんに頼まれて臨時のマスターてしてしばらく経つとカララン鈴の呼び鈴が鳴りお客さんが入ってきた。

「おぅいっらしゃいませ。」
小さな女の子が入ってきた。白い髪で頭の上に犬のような耳とお尻から白い短い尻尾が生えていた女の子は辺りをキョロキョロする。

「ふぇぇ。」

「おぃ。」
臨時マスターアルカの響友カゲロウが女の子と同じ目線で怯えさせないように話しかけた。

この犬耳と尻尾の生えた子供の名前は、レイラン。一緒に来ていたお兄ちゃんとはぐれてしまったとレイランが言う。

「お兄ちゃんとどこではぐれたんだ?」

「あのね。古い建物のあるところではぐれたの。」

「シルターン特区かぁ。よーし。オイラが連れて来てやる。飲みたい物を頼んでレイランは、待ってろ。」

そう言えば女の子の笑顔になった。

シルターン特区風雷郷ー。だいたい人間と共存している鬼と忍と妖怪が行き来して暮らしている。シルターン特区で人気のあるのは、茶屋。ソウケンは、シルターン特区を走っていた。
「この待ってぇ!」

「カカッ!(ここまでおいでー)」
獅子舞に自分の杖を盗られてソウケンは、シルターンからセイヴァールの方向へ走っていた。
あの獅子舞に噛まれでば、幸運が舞い降りるというシルターンの魔物。セイヴァールの西の入り口に通り。ソウケンは、獅子舞を見つけた。

「さぁ観念しろ。」

「かかっー!(やだ。ほら響界種(アロザイド)こっちだよ)」

「このシシコいいかげんに・・・・」
ソウケンが言い終わるまえに獅子舞ーシシコーが行く。

「待って。」
ソウケンが走る。獅子舞が飛ぶ。

カフェにくると獅子舞は、大口から杖を落とした。あとは、彼が来るのを待つだげだ。

「いてぇ!?なんなんだ?んっこれ杖」
和尚さんが持ちそうな杖がカフェの入り口から出たカゲロウの頭の上に落ちた。

「誰の杖なんだ?んっ?おーいそこの獅子舞これは、誰の杖だ。」
獅子舞は、カゲロウの質問に聞こえないフリして行ってしまった。無視かよ。心のなかでツッコミしつっ落ちた杖をアルカに預けようと店に入ると。

「そこの小鬼。それは、私の杖だ!!」
凛とした声の方を向くとソウケンがカゲロウの近くに走ってきた。

「あんたの杖か。ほらよ。」
杖をソウケンに差し出すと彼は、無言で杖を受け取った。無愛想な奴だなとカゲロウは、おもった。

カララン。入り口からレイランが顔を出した。
「お兄ちゃん♪♪」
レイランが入り口からソウケンまで走るとソウケンの足に尻尾を揺すりながらだきついてきた。

「えっ?レイランのにいちゃんなのか?」
カゲロウが風雷の郷に行く前に早くもレイランのお兄ちゃんが迎えに来たことに驚く。

「・・・・・」
ソウケンは、レイランを睨み付けた。
「大祖父殿の差し金かあの獅子舞は。」
「お兄ちゃんとはぐれたからあの獅子舞にお願いしたんだ。」

ポカン。
「そろそろ元のお姿に戻れ大祖父殿」
兄妹の雰囲気がカゲロウの知ってる気配ー妖気の匂いがした。

「ふんっ。ソウケンもこのカフェに入るがよい。緑茶絶品ぞ。」
女の子の口から嗄れた声で言うと周りに煙が上がった。
「うゎぁ!デカィ!」
煙が晴れると女の子のいた位置薄紫の長毛を全身に覆うソウケンとカゲロウを見下ろす化け狐が現れた。数の多い尻尾の先が赤く白い両目のふちが黒い。

「小鬼よ。そなたも鬼の端くれなら人間に化けた妖怪を見破ってみよ。」
化け狐の発する妖気に押され冷や汗をかくカゲロウ。


「レイランちゃん。あれどちら様?」
「臨時マスターよ。馳走になったぞぉ。」
大祖父殿は、鬼妖界へ帰って行った。
「カゲロウあれ何?」
「姉貴あれは「私の響友だ。」」
ソウケンがカゲロウの説明を遮って先手を打った。

「先の獅子舞は、私の響友の配下で私は、獅子舞に誘われてカフェに来た。」
「あの狐の妖気半端ねぇなぁ。そうお前もあの狐と同じ匂いが・・・・」

ポカン。
これ以上言わせまいとカゲロウを叩くソウケン。

「カフェに入ってく?」

続く。