シノノメが覚醒の世界へ到着。
異界に来ると弟を抱きかかえながらシノノメは妹を探した。すぐに魔女姿の妹を見つけると妹の近くに来た。
「おーぃ。カナ!」
「あっ!シノノメお兄ちゃん」
「カナ一人で行動しないで。異界は何かあるか分からないだよ。」
「だってプルフはシノノメお兄ちゃんにしか持ったせてないだもんー。」
プゥー妹は頬を膨らませる。
「シノノメ予備はないの?」
「ひとつしか持ち歩いてね。」
「プルフで聖天馬武者にならないとお父さんに会えないよ。」
「魔女姿じゃダメなの?」
「それだっと俺が父さんにカナを「竜の門」へ連れ回したって言ってるものだろう。」
シノノメは竜の門で強者と修行がしたい。妹は魔女のスキルを磨きたいからシノノメについてきた。
「プルフを使わないと聖天馬武者に戻ってお父さんの元へ戻れないよー。」
両親の眼を誤魔化すには三人で帰ること。妹を聖天馬武者に戻さないといけない。
「プルフを奪い返すぜ。」
区切り。
一方シノノメと双子は。
「待って!プルフ返して!」
カナを筆頭に見えない敵を追いかけていた。
「カナ式神で攻撃を。」
「魔力は魔女の浮遊の速度に変換しているから使えないの!」
「じゃワープ!」
「味方が敵の近くにいないと飛べないの!」
「イカしている格好しているのに使えない。」
「カンナそう言うならサンダソードで逃げ道を塞いでよ」
しかしここは無限峡谷。前から障害物を作れるわけがない。
「おいアレを見ろ!」
空間が歪んだ黒い穴が見えていた。見えない敵が黒い穴に入る。ぐにゃと石を投げられた湖面のように穴が揺れた。
「異界に繋がる門だ。」
「シノノメ知ってるの?」
「あぁ。星界から父さん母さんのいる外の世界に出るときに通った「門」と似ている。あっ!カナどこに繋がるか分からなねぇ門に突っ込むな!」
だけどカナは「門」を通ってしまった。石を入れた湖面のようにゆらりと穴が揺れた。
「仕方ねぇな!」
頭をぼりぼりかいているとカンナはシノノメの腕を取った。
「カンナ残るか?」
「ううん。行く。」
「よし!俺から離れるなよ!」
槍を背中に背負い。カンナを両腕で抱き抱えるとシノノメは「門」に入った。
区切り。