「うん!そのためにはプルフを持った見えない敵を探そう!」
「おぅよ。」
がしっと拳を固めて手のひらに受け止める素振りをした。
「ねぇここは何処だろう?石碑があるよ。」
カンナの声ではっとなる。ここは白夜王国でもなければ暗夜王国でもない。なら石碑で異界の名前を確認しよう。
「イーリス聖王国。」
「おい。」
男の声が聞こえ石碑から顔をあげると碧い髪をした青年がいた。
「ここじゃ見ない顔だな。」
「本当だ旅人さん?」
青年のまわりに二人の人間がいた。一人はカナより年上の女の子。もう一人は青年よりも年が上の甲冑から見ればグレートナイトのような格好の青年。顔が老けて見える。
「僕達異界から来たんだ。」
「異界?じゃ別の世界の人?」
「うん。ねぇここに見えない敵を見なかった?カナのものを持ち逃げし‥‥」
「見えない敵!?ペレシアのスパイか!?」
「ペレシアにそのような魔術が!?すぐに捕縛しなければ!」
「カナここは別の世界の異界だ。混乱させると探し物が出来なくなるぜ。」
「あっ。ごめん見えない敵は間違え。本当は故郷で逃げた。て‥‥」
「て?」
「て?がどうなさいましたか?」
「て‥‥手癖の悪い猿がここまで逃げてきたのを見て追いかけてきたんだ。」
「猿が?」
「あぁそいつら一匹だけでも凶暴で。ほっとくと巣を作っては数を増やして人におそいかかってくる。そのままにしておくと一国を滅ぼしてしまうほどに危険な生き物だ。」
「そんな危険な生き物を退治しにきてくれたのですね。」
「うん。でも知らない土地だから探そうにも探せなくって。お兄ちゃん達手伝ってもらってもいい?」
「いいだろう。俺もイーリス聖王国を守りたい。」
「ありがとうな。‥‥そう言えば名前をきいていなかったな。」
区切り。