もしも白夜ルートでも暗夜が勝利していたらの捏造のお話です。暗いです。

「祖国は白夜王国との戦争に勝利した!だか過去に祖父母起こした不祥事は現在に残っている。身分をかさにした貴族の傲慢。貧しさで親に捨てられ育ってられなかった孤児。食糧不足。他国への脅威。あとは挙げればきりがない数々の混乱を乗り越えられないものか?いな!人間の手には切り開く力がある!私はこれから暗夜王国を後世のために発展することを誓う!」

民衆の拍手が巻きおこた。

「お父さんカッコいい。」

「カンナ静かにしなさい。」

特等席に一緒に座っている弟に釘をさした。生まれて初めて見る新国王の誕生にジークベルトは感動をしていた。カンナのように感想をこぼしたい。でもジークベルトはマークスの世継ぎの子供。我慢。我慢。自分も父から新国王を継いだら人前に出ないといけない。民衆が期待と尊敬の目線を向けられるように出来るにはどうしたらいいか。

「それにしても暗夜王国国民ってたくさんいたんだね。少ないと思っていた。お母さんにもお父さんの演説見せたかったよ。」

「そうだね。母上なら嬉しすぎて泣いちゃうかもしれないね。」

赤が混じった茶髪の弟の頭を撫でた。天井には鳥かごを提げて。茨を思わせる壁画がある玉座。暗夜王国にこれから暮らすことになるジークベルトはゆっくり辺りを目で見た。禍々しい薄暗い場所だと思った。

白夜王国との戦争に勝利したことで家族と三人暮らすことになる。

だけどジークベルトとマークスは髪の色が同じでも血が繋がっていない。弟のカンナも。

続く。